中川大志「自分を100点満点と評価することは一生ない」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
中川大志「自分を100点満点と評価することは一生ない」

インタビュー

中川大志「自分を100点満点と評価することは一生ない」

爽やかイケメンスターとして、人気急上昇の中川大志。2015年は、「監獄学園-プリズンスクール-」や「南くんの恋人〜my little lover」という2本のドラマと、『青鬼 ver2.0』、『通学シリーズ 通学途中』という2本の映画で、主演を務め、まさに飛躍の年となった。劇場版アニメ『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』(12月23日公開)では声優に初挑戦し、タイトルロールのイタリア人の少年、アンドレア役を好演した。中川にインタビューし、俳優としてのいまについて、話を聞いた。

テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」の放送は、今年で放送開始25周年となり、放送回数1100回を超える。原作者のさくらももこ自らが脚本を手掛けた今回の劇場版では、まる子たちと、ホームステイ中の外国人の友だちとの友情のドラマが展開される。

アンドレア役のオファーを受けた時は、喜びよりも驚きが勝ったという中川。しかも、役柄を聞いて、さらに戸惑ったそうだ。「イタリア人の小学校5年生ということで、どうしようかと思いました。こういう役をいただけるのは、後にも先にもないだろうなと」。

イタリア人ということで、日本語の発音をどうするかということは、高木淳監督といろいろと話し合ったそうだ。「アンドレアはどんなふうにしゃべるのかというところから、話し合いが始まりました。でも、そこで、いちばん大切なことは、思いを伝えることだから、そこまで片言で話すということを意識しなくてもよいのではないかということになりました。台本を読んだ時、アンドレアはやさしくてとても素直な男の子だと思ったので、声からまっすぐな性格が伝われば良いなと思い、余分な味付けはせずに、素直にやろうと思ってやりました」。

アフレコ初挑戦ということで、声だけの演技には相当苦戦したと言う。「難しかったです。普段の芝居の現場とは全く違うなと感じました。演じるという根本の部分は変わらないんですが、やり方として、普段は僕自身が体現するのに、アニメーションではそこに画ができあがっている。すごく面白かったけど、画とシンクロさせるのが難しかったです。最初は、口を合わせることに必死でしたが、だんだんアンドレアに対してすごく感情移入できるようになっていき、気がつけば、意識せずとも声が合うようになっていきました。でも、改めて、声優さんってすごいなと思いました」。

小学校4年生でスカウトされ、5年生で事務所に入った中川は、まだ17歳だがキャリアはけっこう長い。順風満帆にステップアップしている印象を受けるが、これまでいろんな壁はあったと言う。「でも、それは、芝居ということでの壁であり、いままでこの仕事を止めたいと思ったことは1回もないです。壁には何度もぶつかっているし、悔しい思いもいっぱいしてきたけど、だからこそ、成長したいという思いはずっとあります。常に楽しいことや辛いことがいろいろあるけど、それを全部ひっくるめて、この仕事が好きという思いは全く変わってないです」。

なんとも頼もしい受け答えである。では、その悔しい思いをどのように解消してきたのだろうか。「自分のことを100点満点と評価できることは一生ないと思うんです。満足した段階で、終わりだと思っているので。そういう意味では、悔しい思いや、上手くいかないもどかしさというのは、その先に進むためにあるものだと思っています。だから、きっとこの先も、そういうものがなくなるということはない。僕はそういう考え方でいます」。

最後に、2016年の目標についても聞いてみた。「目標は、現場に立ち続けることです。僕は、現場が一番好きなので。周りの状況がどう変わっていっても、ただ身を任せるだけ。一生懸命芝居をすることですね。それをやり続けることは難しいことでもあるし、幸せなことでもあるんです」。

中川大志、ずるい!好感度、ありすぎる!彼の言葉を聞いただけで、いまの勢いを納得できた。まだまだ、どんどん高みを目指していく彼を、今後もいろんなステージで見続けていきたい。【取材・文/山崎伸子】

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