松坂桃李「今年はバネを縮める年にしたい」

インタビュー

松坂桃李「今年はバネを縮める年にしたい」

世界40ヶ国語以上で翻訳されているロングセラー児童小説の実写映画『パディントン』(1月15日公開)で、主人公パディントンの日本語吹替えを務めた松坂桃李にインタビュー。とっても愛らしく紳士的なクマのキャラクターは、松坂にピッタリとマッチした。パディントンの可愛さにメロメロだったという松坂が、本作の見どころを饒舌に語ってくれた。

アニメ作品『ドットハック セカイの向こうに』(12)で、すでにアフレコは経験済みだった松坂だが、洋画の日本語吹替えは初となった。彼は、パディントンのクマならではの口の動きに合わせるのに苦労したと言う。「はっきりしゃべる時は良いのですが、口でゴニョゴニョ言う時は、タイミングを合わせるのが難しいんです。日本語だと変なところで切れるので、新しいセリフが追加されたり、表現を変えたりすることもけっこうありました」。

パディントンの魅力については「疑うことを知らない。見ていると心が洗われるんです」とうれしそうに話す。「気持ちの良いクマさんです。パディントンがロンドンに着いた時、最初は人から邪険に扱われるんですが、一生懸命接していくことによって、受け入れられていくんです。その過程が微笑ましくて」。

パディントンの紳士的な部分にも感心したそうだ。「1人ひとりとしっかり向き合っている姿は、まさに紳士だなと思いました。彼の発する言葉には全く嫌味がないんです。でも、薄っぺらくなくて、気持ちが伝わります。また、失敗したり、何か事件を起こしたりしても、真摯に対応しようとするので、誰も彼にきつく言えないんです。まあ、かわいいから良いかとなりますし」。

2015年は『マエストロ!』『エイプリルフールズ』『日本のいちばん長い日』『ピース オブ ケイク』『図書館戦争 THE LAST MISSION』『劇場版 MOZU』と、バラエティ豊かな映画に出演してきた。多忙を極めているであろう松坂のストレス解消法は、お風呂で漫画を読むことだという。「気づいたら、けっこう入っていたということが多いです。本がふやける感じがまた良いですね(笑)。なるべく湯に浸かり、次の日に疲れを残さないようにしたいです。今日はどの漫画を読もうかなと選んでいる時間もすごく好きです」。

もちろん、仕事で上手くいかないと感じることもあると言うが、いまは前向きにシフトできるようにしているそうだ。「凹むことはいっぱいありますが、それはその時の自分のベストだから仕方ないので、前へ前へと無理やりポジティブになろうとはします。特に今年は、毛色の違ういろんな作品の話をいただくことが多かったのですが、中にはある作品ができなくなったから、別の作品ができたこともあったりして、縁もあるのかなと」。

続いて、2016年の抱負を聞いてみた。「昨年は、幅広い役柄にいろいろと挑戦させてもらえたことがすごくありがたくて、より一層面白みを感じることができたし、自分のなかでまだ見ぬ景色を垣間見ることもできました。だから、今年はギューッとバネを縮める年にしたいかなと。それで、再来年あたりにビョーンと一気に解放させたいです(笑)」。

2016年の映画は、『人生の約束』(公開中)を皮切りに、『パディントン』、『秘密 THE TOP SECRET』(8月公開)、『真田十勇士』(9月公開)がラインナップされている松坂桃李。2016年もアグレッシブな活躍が期待できそうだ。【取材・文/山崎伸子】

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