ドルオタはここに刺さる?NMB&HKTドキュメンタリー公開直前レビュー
1月29日(金)より公開されるNMB48とHKT48を題材にした2本の映画。いずれもメンバーの生々しい表情を映し出し、ファンに衝撃を与えてきたAKB48グループのドキュメンタリーの最新シリーズだ。何より気になるのは、彼女たちのファンの素直な反応。「神作」なのか「駄作」なのか?そこでドルオタ(=アイドルオタク)でもあり、公認ライバルの乃木坂46の個人PVなどを手がける映画監督・頃安祐良の反応をリサーチ!両作を見比べてもらい、ドルオタ視点で見どころをまとめてみた。
これまでのAKBドキュメンタリーシリーズとの違いは?
AKB48のドキュメンタリーシリーズといえば、監督毎にその色合いは全く異なるのも特徴。今回の2本、『道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48』『尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48』も全く別モノという印象だ。
▽ドルオタ監督に刺さったのはここ!
「NMBのほうはドキュメンタリーに定評のある舩橋淳監督が撮っただけあり完成度が高いです。冒頭のライブシーンで曲名にテロップがきちんとついていたり、NMB48を知らない人向けに丁寧に作られてました。HKTはメンバーに一番近い存在である指原莉乃さんが撮影した事で、メンバーのありのままを映し出す事に成功してました」
メンバーの素の表情が見える家族との対話
NMB48では不動のセンターを務める山本彩、HKT48でも中心メンバーの児玉遥など、グループの核となるメンバーへのインタビューが映し出されるのは、これまでのシリーズと同じ。だが、両作ではアイドルにとって一番身近な存在である家族が登場するのが興味深い点だ。
▽ドルオタ監督に刺さったのはここ!
「HKT48では村重杏奈さんのファンなので、指原さんが家庭訪問のような形で彼女の自宅を訪れるシーンが印象的でした。ロシア人のお母さんと台所でロシア語で会話したり、ボルシチをごちそうになりながら、彼女の事を聞くんですけど、お父さんがなんともユニークで笑わせてもらいました」
おっさんの涙におもわずもらい泣き!?
選抜総選挙や握手会など、メンバーにとって大事な存在であるファンの姿が初めて描かれているのも両作の特徴だ。選抜入りしてほしい、もっとファンを増やせないのかと、試行錯誤したり、CDに封入された投票券のシリアルナンバーを必死に打ち込む姿に思わず感情移入してしまうかもしれない。
▽ドルオタ監督に刺さったのはここ!
「NMBでは沖田彩華さんや矢倉楓子さん、HKTでは坂口理子さんのオタが登場するんですけど、オタが描かれるのは初めてですよね。6枚目のシングル『しぇからしか!』で坂口さんが初めて選抜入りした時に感涙にむせぶオタの姿を見て、思わずもらい泣きしました」
指原莉乃の初監督ならではの試行錯誤が見える
HKT48劇場支配人を務める指原莉乃は初監督に加え、インタビュアー、ナレーターと八面六臂の活躍ぶりを見せているが、同じアイドルならではの心遣いが画面からひしひしと伝わってくる。
▽ドルオタ監督に刺さったのはここ!
「1~3期生にグループインタビューをする事で全員が何か一言は発言しているし、まるで友だちの悩みを聞いているような感じ。この“距離感”は絶対自分には撮れないと思いました。『泣いていると使われるよ!』『パンツ気をつけて!』とか普通のインタビュアーでは言えない事を言ってるのがおもしろかった。撮影した映像を見ながら、編集で悩んでいるシーンも心憎い!すごいものを見せられた気がします」
テレビやライブでの姿や、握手会などの接触イベントで見せる姿とはまた違ったアイドルたちの素顔が見える今回の2本。いまの日本のアイドル文化を象徴するような作品となっているので、いままでAKB48グループに興味がなかったアイドルファンにも必ず刺さるはずだ。【取材・文/トライワークス】