松岡茉優、「“間”がこわい病」を告白!
常に笑顔を絶やさない明るさと頭の回転の速さで、いまやエンタメ界で引っ張りだこの松岡茉優。映画の最新作は、杉作の大人気コミックを実写映画化した『猫なんかよんでもこない。』(1月30日公開)で、ヒロインに扮して、風間俊介と3度目の共演を果たした。松岡にインタビューし、風間との共演エピソードなど、本作の撮影秘話について語ってもらった。
風間が演じるのは、猫嫌いのプロボクサー、杉田ミツオ。漫画家の兄(つるの剛士)の家に居候することになったミツオは、兄が拾ってきた2匹のネコの世話をするようになっていく。松岡は、ミツオの職場の同僚、ウメさん役を演じた。
松岡は、『映画 鈴木先生』(13)、NHKドラマ「銀二貫」(14)、本作、そしてその後、ドラマ「問題のあるレストラン」(15)でも風間と共演している。「1回目の共演は、私が生徒役で、風間さんは不法侵入者役で、ナタを手に屋上で叫びまくっていたし、2回目は回想シーンのみだったので、面と向かってお芝居をしたのは今回が初めてでした。風間さんには、たぶんこういう人なんだろうというイメージがありましたし、周りの方からすごく素敵な人だと聞いていたのですが、本当にその言葉どおりの方でした」。
風間とがっつり共演してみて、とても安心感を得たという松岡。「これまでは、打ち上げなどでしかお会いしてなかったので、お芝居でどういう呼吸をされるのかは知らなかったのです。やってみたら『さあ。大丈夫だよ』という感じで、相手がどう出るかというのを構えて待ってくださるんです。スタッフさんの呼吸も見えていて、後から現場に入った私を、スタッフさんたちの会話の中心にいれてくださったり、外ロケの時は通行の方への気配りまでされる。主演としてものすごく安心できる先輩でした」。
撮影の空き時間でも、いろんな話をしてくれたという。「風間さんも漫画やゲームがお好きなので、そういう話をしたり、私は舞台経験が少ないので、舞台のコツをお聞きしたりしました。これからも末長く、先輩然としていていただきたいなと思う先輩です」。
「女版・八嶋智人になりたい」と公言している松岡は、会見や舞台挨拶、バラエティ番組で、見事なエンターテイナーぶりを発揮している。元々、子役の頃、『おはスタ』のおはガールをやっていたというのも納得。
「私は出身がバラエティだと思っているし、あの空気感が大好きなんです。『あまちゃん』以降はいろいろなバラエティ番組に出させて頂く機会が増えました。やっぱりバラエティに出ていると、なんとなくホームにいる感じがしています。いまは、俳優という職業を選んだから『失礼します』という形でバラエティにおじゃまするんですが、あの空間は大好きだし、尊敬する芸人さんがたくさんいるので、見学者という感じで伺っています」。
“女優”ではなく“俳優”という言葉を使うのも彼女らしい。どんな質問を投げられても、即座に返す松岡の反射能力は秀逸だが、それについては「小さい時から“間”がこわい病なんです。これは良くないことなんですが」と苦笑い。「インタビューなどで1対1になると、ちょっと間が空くだけで、どうしよう!埋めなきゃと思って、全然違う話をしてみたりしてしまうんです」。
そんな松岡だが、『あまちゃん』で、大人計画の面々と共演して、間の面白さに感心したそうだ。「お芝居においては、間が面白いし、大事なんだと実感しましたが、いまだに間が怖くて。せっかくの面白い間をつぶしてしまいたくないので、気をつけようかと。だから、2016年は、間を怖がらない人になりたいです。是非、これからも見守っていただけたら幸いでございます」。【取材・文/山崎伸子】