松岡茉優、「犬派だけど、素顔は猫っぽいと言われます」
いつだって元気印!女優としてだけではなく、オフショットでも好感度大の松岡茉優が、風間俊介主演映画『猫なんかよんでもこない。』(1月30日公開)でヒロイン役を好演した。愛くるしい猫とのシーンもたまらない。松岡にインタビューしたら、実は犬派であるが、人から「猫っぽい」と言われることが多いという意外なエピソードが飛び出した。
風間演じる主人公は、猫嫌いのプロボクサー、杉田ミツオ。漫画家の兄の家に居候することになったミツオは、兄が拾ってきた2匹のネコの世話をするようになっていく。松岡は、ミツオの職場の同僚、ウメさん役を演じた。
気ままな猫は、タイトルどおり、ミツオが呼んでもなかなか来ないマイペースぶりが微笑ましいが、松岡自身もそうらしい。「私も友達に呼ばれても行かないです。去年の誕生日もそうでした。ちょうど『問題のあるレストラン』を撮っていて、全員でごはんに行こうよと言われたのですが、その日は家に帰りたくて『すみません』と言って帰ったんです。でも、後から『誕生日でお祝いをしたかったんだから来るべきだったよ!』といろんな人に怒られました(笑)」。
彼女は典型的なインドア派らしい。「2016年は、フットワークの軽い人になりますと言いたいところですが、私は漫画やゲームが大好きなので、それをやっている時間がいちばん幸せなんです。だから家に帰りたいし、フットワークが重いです。でも、今年は21歳になるので、もう少しアウトドアな年にしていきたいと思っています」。
人懐っこい性格だが、人間関係においては慎重な点も持ちあわせている。「友達に対して、自分だけが勝手に仲が良いと思ってしまうことが多いです。親友やまぶだちだと自分では思っていても、相手から『あれ?そうだっけ?』というような顔をされる時があります。1回びびってしまうと怖くて、それ以上は行けないです」。
では、恋愛については、どうなのだろうか?「それも、勘違いが多いです(苦笑)。ずっと私を見ているから、たぶん私のことを好きなんだと思っていたら、なぜか恋愛相談をされたりして。あれ?おかしいなと思う時があります。痛々しいですね。もうちょっとプッシュすることが必要なのかなと。押しが弱いんですよ。でも、頑張ります。まぶだちではなかった友達にももう一回プッシュしたら、何かが変わるかもしれない(笑)。2016年はそういう年にします!」。
子役からキャリアをスタートさせたが、ブレイクしたのはNHK連続テレビ小説『あまちゃん』以降だ。「『あまちゃん』からいただいた恩恵があまりにも大きいので、いつかそれを返せるようになりたいです。この世界に入って12年目ですが、子役時代はオーディションに受からない日々でしたから、きゅっと縮めたら3、4年なんです。その12年間は、家に帰ればごはんがあるという、養われていた状態でした。でも、20歳を超えて12年以上やっていく私と、20歳の前に12年やっていた私とでは重荷が違うと思うんです」。
明るくポジティブなキャラクターの原動力は「大切な人を笑顔にしたい」という思いだ。「周りの人たちや私を応援してくれる人たちが悲しまないことをしていきたいんです。20歳を超えた方は、通常『陸上でここまでいきました』とか『ピアノをずっとやっていました』とか、いろんなアイデンティティみたいなものがあると思いますが、私にはそれが全くなくて。ただ、子役出身の素晴らしい先輩方はたくさんいらっしゃるので、その方々を見習い、子役出身は面白さがあるというふうにもっていけたら良いなあと思っています」。
昨年は初めてラジオのパーソナリティーにトライしたり、バラエティ番組のアシスタントを務めたりと、八面六臂の活躍ぶりを見せたが、2016年はどんな顔を見せてくれるのだろうか。
「昨年は場違いだなあと思いながらも、いろんなことに挑戦させていただきました。恐縮しているのは本当に謙遜じゃなくてそう思っているのですが、それがだんだん伝わりづらくなっているなあとも感じています。先輩方から『恐縮することで逆にあざとく見えたりするんだよ』というアドバイスもいただきますし。みなさまの目にふれる時間が増えれば増えるほど、その気持ちのどこかに区切りをつけなくちゃいけないのかもしれない。だから、2016年は自分の立ち位置を見ることを含め、いろんな仕事をさせていただき、それをまた本業の俳優という仕事に活かせるようにしていきたいです」。【取材・文/山崎伸子】