菜々緒、『あぶ刑事』舘ひろしとは、無名時代に出会っていた!
『あぶない刑事』シリーズ10年ぶりの新作映画『さらば あぶない刑事』(1月30日公開)で、舘ひろし演じるタカこと鷹山敏樹のフィアンセ・浜辺夏海役を演じた菜々緒。タカとヨコハマの夜景をバックにダンスを踊るシーンには、うっとりと魅せられる。元外交官の才媛・夏海役をスマートに好演した菜々緒にインタビューし、舘ひろしとの共演秘話を聞いた。
『さらば あぶない刑事』では、港警察署捜査課の刑事コンビ、タカ(舘ひろし)と、ユージこと大下勇次(柴田恭兵)が、定年退職を5日後に控えていながらも、ヨコハマに進出してきた中南米の犯罪組織に立ち向かっていく。
『あぶない刑事』のテレビドラマ放送が始まったのは1986年で、それから30年が経つ。27歳の菜々緒は、まだ産まれていなかった。彼女は、いまやレジェンドとなった『あぶ刑事』シリーズのヒロインに迎えられた時、喜びつつもかなり混乱したようだ。
「本当に何度も言うのですが、こんなに歴史ある作品に私なんかが出て良いのだろうか、何で私なんだろう?という気持ちになり、少しパニックになりました。でも、出していただくとなれば、今出しきれる力をすべて出し切ろう、とにかく作品の一部になれたらと思い、一生懸命やらせていただきました」。
実は、菜々緒が舘ひろしと初対面したのは、まだ、芸能活動を始めていない頃だった。「学生の時、友達に誘われたクルーズに、たまたま舘さんがいらっしゃって。その時、『お嬢さん』と声をかけられたんです。舘さんから見れば、当時の私は子どもですよね。すごく緊張したのを覚えています。衝撃がすごすぎて、話した内容はあまり覚えてないのですが、こんなに大人の男性にドキドキすることはあんまりないなあと思いました。その日、海に飛び込んで無邪気に遊ばれたり、すごく周りに気を遣っていろいろとお話をされ、みんなでわいわい楽しまれている舘さんの姿を見て、この人は絶対に素敵な人だなあと思いました。その時は、たぶんもう一生お会いできないだろうと思っていたら、今回その機会をいただいて。ご本人にはこのことをお話してないのですが、これだけ素敵な方だから、私に力がなくても、いろいろと支えてくださるだろうなと思って、すごく安心してクランクインしました」。
タカと夏海が抱きしめ合ったり、2人でダンスを踊るシーンは、本作におけるロマンティックなハイライトだ。「すごくドキドキしました。私は、男性とダンスをしたことがなかったのですが、初ダンスの相手が舘さんだと思うとすごいことですね。いろいろエスコートしてくださいました。鷹山さんの『どうして僕を選んだんだ?』というセリフも素敵だし、あのシーンは本当に大好きです。心から愛し合っている2人が交わす会話からは、2人の関係値が伝わってきて、ぐっと来ました」。
2015年は、『神様はバリにいる』『エイプリルフールズ』『グラスホッパー』、連続ドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」などで振り切った悪女に扮した菜々緒だが、2016年は、連続ドラマ「怪盗 山猫」の刑事役としてスタートを切り、続いて『さらば あぶない刑事』が公開される。バラエティ番組での歯に衣着せぬコメントも好感度大だし、菜々緒はいつだって全力投球だ。
「よくみなさんに『サービス精神が旺盛ですね』と言っていただくのですが、私はただ単に自分がやりたいからやっているだけなんです。私が変な格好をしたり、変なお面をつけたりして、みなさんに笑ってもらえるのなら、何でもやろうと思えますし。ちょっと変わったことや、みんなが嫌がりそうなこともやってみたい。でも、常に自分が楽しいと思うことを選択しているというのが大前提ですし、本当に楽しいです」。
女優として大躍進中の彼女だが、奇跡のような脚線美のごとく、性格も真っ直ぐなところが、多くの人々に愛される秘訣なのではないか。タカのハートを射止めた夏海の輝きを、是非スクリーンで確認してみてほしい。【取材・文/山崎伸子】