ゆうばり映画祭2016、グランプリは本物の不良を出演させたバイオレンス『孤高の遠吠』に!

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ゆうばり映画祭2016、グランプリは本物の不良を出演させたバイオレンス『孤高の遠吠』に!

北海道夕張市で2月25日より開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」。2月28日、クロージングセレモニーと授賞式が行われ、オフシアター・コンペティション部門で、小林勇貴監督の『孤高の遠吠』がグランプリを受賞した。

【写真を見る】壇上で審査委員長の柏原寛司監督からトロフィーを受け取った小林監督
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本作は、実際の暴力事件をベースに、本物の不良を出演させ描いたバイオレンス・ムービー。「カナザワ映画祭 2015」でプレミア上映されるなど、既に話題を呼んでいた一本だ。小林監督はグランプリ受賞作に贈られる次回作支援金200万円について、「200万円ももらえてうれしいですね。ノーギャラで不良たちを出してるんで、これでいくらか握らせて…(笑)」とコメント。審査委員長の柏原寛司監督に「次回作!」と突っ込まれ、「もちろんそちらも…」と笑わせた。

『孤高の遠吠』でゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016のオフシアター・コンペティション部門グランプリに輝いた小林勇貴監督
『孤高の遠吠』でゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016のオフシアター・コンペティション部門グランプリに輝いた小林勇貴監督

現在25歳の小林監督は、土日を使って映画を製作。本物の不良を起用するのは本作が3作目といい、自分の友人が不良に拉致されリンチされた事件があり、それを映画化する際に本物を出そうと考えたのがきっかけだという。「やりたいことをやろうとすると邪魔が入る。それに対して反抗してやろうというのを描きたいというこだわりがありました。そういう“屈しない人”と映画って相性がいいと信じているので」と思いを語った。

審査委員長の柏原監督は「既成のものにはない創意工夫があった。いまはカメラもいいので、みんな綺麗に作っちゃうんですけど、そうじゃない時代の荒削りな部分があって、作品の内容に合っていた。僕らが子供の頃は映画って不良のものだったから、普遍的な分野なんですよね。それをこれだけストレートに、我々プロが大人の事情で撮れないようなものをやってしまう向こう見ずさが、忘れていた青春を思い出させてくれました」と賛辞を送った。

『脱脱脱脱17』で審査員特別賞を受賞した松本花奈監督
『脱脱脱脱17』で審査員特別賞を受賞した松本花奈監督

ほか、ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門では審査員特別賞に松本花奈監督『脱脱脱脱17』、北海道知事賞とスカパー!映画チャンネル賞にソ・ジェイク監督『親切ですね』、シネガーアワード(批評家賞)に鋤崎智哉監督『バイバイ、おっぱい』、スペシャルメンションとして伊藤祥監督『いろんなにおいのワカモノだ』が輝いた。

『かたすみの鱗』でショートフィルム部門のグランプリに輝いた石谷恵監督
『かたすみの鱗』でショートフィルム部門のグランプリに輝いた石谷恵監督

また、インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門では、グランプリに石谷恵監督『かたすみの鱗』、審査員特別賞に眞田康平監督『イカロスと息子』、優秀芸術賞にユ・ジェヒョン監督『フォトグラファー』、ウ・キョンミン監督『ジョニー・エクスプレス』、有馬將太監督『NEW』がそれぞれ受賞を果たした。

今年の映画祭は明日29日を残すのみとなっており、オフシアター、コンペの受賞作品上映会が開催される。【取材・文/Movie Walker】

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