『桜ノ雨』山本舞香のおちゃめな素顔を監督が暴露

インタビュー

『桜ノ雨』山本舞香のおちゃめな素顔を監督が暴露

第14代リハウスガールとなり、ドラマ「南くんの恋人〜my little lover」でヒロインを務め、『暗殺教室~卒業編~』(3月25日公開)も待機中の女優・山本舞香。2016年ブレイク必至の山本が、青春グラフィティ映画『桜ノ雨』(3月5日公開)で待望の映画初主演を務めた。人気ボーカロイドが歌った同曲をモチーフにした本作では、当時17歳の山本の生き生きとした表情が見事に切り取られている。山本舞香とメガホンをとったウエダアツシ監督にインタビューし、合唱の名シーンの裏側を話してもらった。

『桜ノ雨』は、山本演じる高校の合唱部員・遠野未来(みく)が、友情や進路、先輩(浅香航大)へのほのかな恋に悩みつつも前へと踏み出していく青春映画。作詞・作曲の halyosy が自ら原作・原案を手掛けた。

ウエダアツシといえば、女子高生が集団妊娠するという衝撃作『リュウグウノツカイ』(14)で鮮烈に長編監督デビューをした新鋭だが、若手俳優陣から自然体の表情を引き出すというスキルの高さを、『桜ノ雨』でも見せつけた。移りゆく青春を謳歌する山本舞香や若手スターたちのきらめきは、本作の最大の武器となった。

ウエダ監督は、山本を撮っていて、心を揺さぶられるシーンがいくつもあったと振り返る。「浅香航大くんや広田亮平くん、三浦透子ちゃんとのお芝居の駆け引きも見ていて面白かったけど、ただ1人で歩くシーンやバスに乗っているだけのシーンなど、何気ないお芝居もすごく良くて。あ、僕、ほめまくってますね(笑)」。

山本は今回、歌にもトライしたが、実は演じたヒロイン同様、歌は元々苦手だったと告白する。「挿入歌とエンディングロールでソロも歌わせていただきましたが、これは頑張らなきゃと思って。収録の時は不安でしたが、(歌の)先生がレコーディングスペースの中まで入ってきて丁寧に指導してくださったので、無事やり遂げることができました。後日、音源を聴いた方々にほめていただけたので安心しました」。

ウエダ監督は「ガッツがあるんですよ。歌のレコーディングの時も、歌い終わった瞬間に『もう1回やらせてください』と言ってくる。基本的に、普段は明るい性格で、どちらかというとやんちゃ。役とは真逆」と突っ込む。

山本は「この映画で私のことを知ってくださる方は、ああいうキャラクターだと思いますから、そんな“やんちゃ”とか言わないでください(笑)。でも、今回、内気な子を演じたので、次にウエダ監督とご一緒させていただく機会があればミステリアスな子をやってみたい。振り幅が大きいのが良いです」といたずらっぽい笑みを浮かべる。

ウエダ監督は「良いですね。そっちもいろいろとできるんじゃないですか?どちらかというと本来はそっちのタイプだから」とうなずくと、山本は「何ですか!それ」と突っ込み、大笑い。2人のやりとりから現場で意気投合した様子が伝わってきた。

印象的なシーンでも、合唱シーンを上げる山本。「指揮者の田畑(智子)さんを見ながら歌うのですが、たまにこっちを見て微笑んでくださるんです。それでもう涙がぶわーっと出てきてしまいます。私が泣いているのを見て田畑さんも泣いてくださっていて、ぐっと来ました」。

第28回東京国際映画祭パノラマ部門で上映された『桜ノ雨』だが、そのイベントで同曲を合唱した時も、山本は大粒の涙を流した。ウエダ監督は「わかっとるなぁと感心したんだよね」と言うと、山本は「全部、ニュースの見出しがそれでしたよね。でも、『桜ノ雨』を1曲歌うと、私は絶対泣いちゃうんです」と言う。

また、山本は、『桜ノ雨』に出演したことで、いろんな思いを胸にした。「私は、学校で合唱をちゃんとやったことがなくて。恥ずかしいから、小さく口を出していましたが、全力で歌えば良かったと、すごく後悔しました。だから、いま現役の学生さんにはそういう後悔をしてほしくないです。本当に『桜ノ雨』は素敵な曲で、自分の学生時代と照らし合わせると本当に泣けてきますから」。

折しも『桜ノ雨』は、卒業シーズンの公開ということで、いろんな世代の人々の心に響きそうな予感。是非、その感動を劇場で共有してほしい。【取材・文/山崎伸子】

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