広瀬すず、過酷すぎる撮影に「うっ…てなった(笑)」
「ご飯は大事。ご飯がなかったら撮影は乗り切れませんでした(笑)」。現在あらゆるメディアでその姿を見ない日はないというほど多忙な広瀬すず。主演作『ちはやふる -上の句-』(3月19日公開)で、かるた世界一を夢見る女子高生・千早を演じた彼女にインタビューを敢行し、かなり過酷だったという撮影について話を聞いた。
本作の題材になっている“競技かるた”は、娯楽のかるたとは離れた、0.1秒を争うスポーツのような側面がある。『ちはやふる』でも迫力満点の競技かるたシーンが見られるが、舞台裏にはキャストたちの血の滲むような努力があった。
『海街diary』(15)で披露したサッカーの腕前が話題になるなど、運動神経抜群の広瀬だが、かるたの習得は難しかった様子。「爪の先まで神経を使うので、指が曲がってないか意識しなくちゃいけないんですが、実際にやってるときは一瞬なので、そこまで意識がいかなくて…」と、細かい演技に苦戦したようだ。
特に、札を取るフォームにはかなりのこだわりがあったようで、「体重の乗せ方をひたすら練習しました。ドラマ撮影の合間ですらスタッフさんからいただいた畳の上で素振りをしてたぐらいです」と鍛錬を怠らなかった。「足が痛くなる畳と、痛くならない畳があるんです。撮影が終わる頃には、触るだけで畳との相性がわかるようになってました(笑)」。
フォーム以外で広瀬が苦しめられたのは、撮影に使用された“Phantom Flex4K”というハイスピードカメラ。1秒間に1000コマも撮影できる高性能さが、演じる側としてはかなり大変だったようだ。「札を読む声に反応して動かないといけないのに、声が出るよりも先に手が出てしまったり…。競技かるた経験者との動きの違いも、はっきり映ってしまうんです」。
意外にもこのカメラが最も活躍した東京都予選のシーン。衣装の袴も着ているのが大変で、もう笑うしかない!といった様子。「どんな動作をしても着崩れないようにきつく帯を締めていて『うっ…』ってなるくらい(笑)。袴で1日いるのは大変だったので、撮影の合間で脱ぐタイミングを作っていただきました」。
数々の苦労が実を結び、ド迫力のかるたシーンに仕上がった。本編完成後に「ちはやふる」原作者の末次由紀に会ったという広瀬は、「絶対に誰が見ても千早はすずちゃんしか出来なかった。ありがとう」と言われ、感無量だったという。
ひざに水ぶくれが出来ていようが、その水ぶくれを切開し、水を抜きながら撮影を続けたという広瀬。演技へのこだわりと持ち前のド根性には驚かされるばかりだ。【取材・文/トライワークス】