二階堂ふみと山崎賢人が語る“恋と成長”の関係性
八田鮎子の少女コミックを二階堂ふみと山崎賢人を主演に迎えて映画化した『オオカミ少女と黒王子』がいよいよ5月28日(土)よりスクリーンに登場する。天真爛漫な女の子・エリカと、俺様発言連発だけれど、ピンチのときには助けてくれる王子様のような男子・恭也との恋を描く、キラキラのラブストーリーだ。
数々の難役を演じてきた二階堂にとって、少女漫画原作のヒロインは新鮮な役どころだ。「やったことのなかったような作風ですし、王道であり、恋に悩む女子高生という役柄も初めてです」と二階堂。ヒューマンドラマに定評のある廣木隆一監督のもと、「少女漫画原作の映画化という王道に、真正面から挑戦したと思っています」と自信をのぞかせる。
爽やかな役どころが多かった山崎にとっても、黒王子・恭也役は新たな挑戦だ。しかし「挑戦という気はしていなかった」と山崎。「この作品に集中したい」とかつらではなく、地毛を自身初の金髪にするなど気合い十分に本作に飛び込んだ。ドSな言動も「この世界の面白いところ。楽しみながらやっていました」とにっこり。「ワンカット、ワンカット、楽しみながら現場で過ごしていました。廣木監督の『よーい、スタート!』はものすごく気が引き締まるんです。かっこいいんですよ。違う方向に行きそうになると、正してくれるような監督です」
廣木監督は、少女漫画原作を、血の通ったリアルなキャラクターたちのドラマとして撮ることにこだわったそう。二階堂は「台本にこう書いてあるからということではなくて、俳優の自然な心の中から出てきた気持ちを大事にしてくださる温かい監督。とことん、付き合ってくれるんです。だからこそ、私も山崎くんも自由に挑戦をすることができた」と廣木監督に感謝しきり。
そしてもうひとつ、廣木監督がこだわったのが「女の子たちが憧れるものでありながら、自分自身と照らし合わせることができるストーリーであり、キャラクター」ということだそう。山崎は「ふみちゃんの演じたエリカは、すごく人間味を感じるキャラクターになっていました。冒頭のエリカと(門脇麦演じる)さんちゃんがカフェにいるシーンも、本当に親友なんだということが伝わってきて」とキャラクター同士のやり取りにも、リアルを感じたという。
ドSの黒王子・恭也は、とりわけ漫画的なキャラクターだが、二階堂は「山崎くんが恭也というキャラクターをしっかりと自分の中に取り込んでいたからこそ、女の子だけじゃなくて、どんどん男の人がかっこいいと思えるようなキャラクターになったと思う。クライマックスで走るシーンなんかは、ハードボイルドですよね」と語る。
また、恋をしたくなるような胸キュンのストーリーにちなみ、本作のキュンとした瞬間について聞いてみると、二階堂は「個人的には、吉沢(亮)くん演じる日下部くんがいい人でポイントが高い!」とまさかの日下部くん推し。「この映画のいいところって、誰かを想う気持ちや、誰かと一緒にいることで生まれる感情が、人の成長につながるんだと感じられるところだと思うんです。恭也もエリカと出会ったことで素直になれたり、日下部くんもエリカを好きになったことで変化をしたり。それぞれのキャラクターが絡み合いながら成長をしているんです」と、それぞれが恋や友情を通して成長していく姿が胸キュンポイントだという。
一方の山崎は「完成したものを見て、こんなに面白くなっているのかと驚いた」と廣木監督、二階堂ととことん話し合って作り上げた完成作に大満足。中でも、「ラストシーンがすごく好きです」と笑顔を見せる。「中華街をズドンと抜けて、引きで見せていくカットがあって。お互いにちょっと成長して、これからどうなっていくんだろうと感じさせるラストです。二人の掛け合いも微笑ましくて、すごく好きですね」というから、ときめくこと必至のラストにも大注目だ。【取材・文/成田おり枝】