樋口真嗣監督が『シン・ゴジラ』の驚きの裏側を激白!
興行収入が早くも10億円を突破し、好調なスタートを飾った『シン・ゴジラ』(公開中)。8月3日、本作の世界を体験できる“『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツ for PlayStation(R)VR(以下PSVR)”の先行体験会&トークショーが、ソニー・インタラクティブエンタテインメントSSJ品川ビルで開催。監督・特技監督を務めた樋口真嗣とプロデューサーの佐藤善宏が登壇し、撮影の裏話を語った。
樋口監督は「政府の相談役で3人の学者が出てくるんですけど、全員映画監督で固めました。3番目に(登場して)喋る原一男さんが絶対言葉につまるから、38テイクくらい重ねましたよ。そのあとの飲み会で他の2人にディスられてました(笑)」と意外な裏話を暴露。
本職の役者陣についても「役者さんって覚えていたセリフをすぐに忘れられるから、次を覚えられるらしいんです。でも、『シン・ゴジラ』は専門用語が多いから難しかったみたいで…。庵野総監督が前日終わったシーンの撮影を翌日また撮りたいとか言いだすから、ベテラン勢が忘れたセリフを覚え直すため楽屋にダッシュで戻るんですよ(笑)。あれはすごい光景でしたね」とコメント。ベテラン俳優の“役者魂”には感嘆といった様子だった。
モーションキャプチャーでゴジラの動きを担当した野村萬斎には、樋口監督が直々に連絡を取ったとのことで、「日本のゴジラなので、日本の要素を入れたかったんです。精霊とか存在しないものを狂言でやられている萬斎さんかなと思って。ゴジラが“降臨しちゃってる感”が凄かったですよ」と大絶賛!伝統芸能のポテンシャルを存分に発揮した野村の演技について、そう熱く明かしていた。
また、ディテールへのこだわりについては「ゴジラ以外はすべて実在するものなので、本物にいかに近づけられるかにこだわって、実際に首相官邸に入れてもらえたんですけど、カメラを回したり、実測できないから、美術チームが歩幅で測ったり、ドアの厚みを鞄の幅で測ったんですよ」と、驚きのエピソードも明かした。
イベントの終盤には、PSVRを樋口監督が実際に体験する展開に。「おぉ、おー!あー!あついあつい」と大興奮の樋口監督は、率直に「欲しい!」感想を漏らし、「アングル、カット割りがある映画とはまったく別物。映画でも使いたいな」と満足げな様子でイベントを終えた。【取材・文/トライワークス】