堤真一&夏川結衣、リアルなオペ室の雰囲気に驚愕!?
医療現場のタブーに挑む、堤真一主演最新作『孤高のメス』(2010年初夏公開)の撮影が7月5日にクランクイン。7月29日に東映撮影所で、堤真一、夏川結衣、吉沢悠、平田満、中越典子、生瀬勝久、成島出監督による製作現場会見が行われた。
原作小説は、現役医師でもある大鐘稔彦が、実体験を交えて“生体肝移植”をテーマに綴った意欲作。堤真一が演じるのは、国内初の生体肝移植に挑む主人公の医師・当麻鉄彦だ。役作りについては、「最初は当麻のヒーロー的なところに意識がいきがちでしたが、この映画は親子とか、人の思いをどうつないでいくかという話なので、今は相手の台詞や思いを受け止めることに集中して演じてます」と語った。
実際の生体肝移植の手術現場にも立ち会ったという堤真一と、ナース役の夏川結衣。堤はその感想をこう語った。「内臓を取る様子は、お医者さん用のDVDなどで見てましたが、正直、現実味がなくて。でも実際に見て思ったことは、人間ってこんなにお腹を開けて、先生にいじくりまわされても生きていられるんだと。人間の生命力ってすごいなと思いました。また、ドラマで観ていたオペ室が、非常に作られた雰囲気のものだということもよくわかりました」 夏川はオペ室のにおいに驚いたとか。
そして、ふたりがいちばん感心したのは、外科医の先生たちの集中力と余裕だったと言う。「こういう職業の人々の素晴らしさと難しさを感じました!」と夏川も興奮気味に語った。
リアリティを追求するため、本作では順天堂大学医学部・肝胆膵外科の石崎准教授らが監修を務める。石崎准教授は「最初は俳優の方に手術が習得できるのかと疑問をもちましたが、(特訓をして)最後はかなり上達して、本物の外科医よりもうまいのではないか?と思うほどでした」と堤らの外科医ぶりに太鼓判を押す。
医療問題を扱う映画では、『ジェネラル・ルージュの凱旋』(09)、『ディア・ドクター』(09)と、近年リアリティ溢れる秀作が産み出されているが、本作では“生体肝移植”というモチーフがどう描かれるか、実に興味津々だ。公開は2010年初夏なので、今から原作小説もチェックしておきたい。【Movie Walker/山崎伸子】