東出昌大、池松壮亮、菅田将暉。同時代を生きる上で「ライバル心」はある?

インタビュー

東出昌大、池松壮亮、菅田将暉。同時代を生きる上で「ライバル心」はある?

東出昌大、池松壮亮、菅田将暉。日本映画界をリードする若手俳優の筆頭である3人が、伝説的シリーズの新作『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で共演を果たした。ワクワクするようなこの企画で、彼らはどのような時間を過ごしたのか。東出の話に池松が静かにツッコミを入れたり、共演シーンの多かった東出と池松に対して、菅田が「うらやましかった」といじけてみたりと仲の良い様子を見せる3人に、同世代との共演で得た刺激を語り合ってもらった。

本作は、6冊のデスノートをめぐって、デスノート対策本部の捜査官・三島(東出)、Lの遺伝子を継ぐ世界的名探偵の竜崎(池松)、キラ信奉者でサイバーテロリストの紫苑(菅田)が、壮絶な戦いを繰り広げる物語。彼らが三つ巴となってバチバチとした対決を見せると話題となっているが、当の3人もそのことに喜びを隠せない。

東出「『デスノート』の世界で共演できたのは、うれしかったですね。アニメーションもすごく流行っているなかで、僕はお芝居というものでみなさんに『観てよかったな』と言われるものを世に出し続けていきたいと思っています。そういう意味では共に戦う仲間なので、今後もご縁があるとうれしいふたりです」。

そこにライバル心という意識はあったりするのだろうか?

東出「僕はお芝居を初めてからは、誰かをライバル視したことがないんです。結局、自分の問題だなといつも思うので。でも『あいつの芝居いいな』と思うことは多々あります。ふたりはもともとそういう存在でした。菅田くんとは共演経験がありますが、本当にお芝居がうまいなと思うし、池松くんはお会いする前から好きな役者さんで。ふたりが演じたのはコミックから出てきたようなキャラクターで、そこにリアリティを持たせるのは、お芝居が相当うまくないとできないこと。ふたりだからこそできた“ジョーカー”と“ピエロ”になったと思います」。

池松「僕は、相手が女の人という場合はよくあったんですが、同じ時代に生まれて、ある程度同じものを見てきた人たちとお芝居をやるということが、実はあまりなかったんです。今年は菅田くんと『セトウツミ』もやりましたし、ある種、飛び込んでいったところがありました。なのですべてが面白かったですね。神戸ロケの時は毎晩、東出さんの部屋で一緒に飲んでいました。『こういうのいいな』って思ったし、作品ありきで遠慮がなくなった部分はもちろんありますが、同じ世界を見てきた人と一緒にやれたのはすごく面白かったです」。

菅田「カメラの前では年齢や性別が関係ないというのは当然ですが、同世代との共演ってどこかうれしいものなんですよね。世代意識なのか、きっとこれからもそれぞれがこの世界にいて、交わった瞬間に一緒に作品をつくっていくという流れができてくるんだと思いますが、それを当たり前のこととして過ごしているのが実はすごいことだと思っています。また、東出くんの寝込みを襲うような遊びをしたいですね(笑)」。

笑い合うくだけた雰囲気の中にも、お互いへのリスペクトがしっかりと顔をのぞかせる。東出は、「お互いにしか理解し合えないこともあると思う」と打ち明ける。

東出「同年代の役者って、例えば、世間に認知されるようになって街を歩きにくくなったり、それでもいいこともたくさんあるから仕事に感謝したり。築いてきたものが近しいところがあるので、お互いにしか理解し得ないこともあるのかなと思います」。

3人での共演シーンを振り返った池松からはこんな話も。

池松「3人がようやくそろった撮影の日は、東出さんはグワッと集中していて。僕と菅田くんは『セトウツミ』以来でやっと会えたものだから、なんだかニヤニヤしてしまって(笑)。菅田くんに怒られながらも、ニヤニヤしちゃって…っていうのが続いていました」。

菅田「僕は時間的には正直、物足りなかった気がしているんです。ふたりは一緒のシーンが多かったので、うらやましかったですよ。僕はその間ひとりでしたからね」。【取材・文/成田おり枝】

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