木村拓哉を迎えて三池節炸裂の予感!『無限の住人』現場に潜入

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木村拓哉を迎えて三池節炸裂の予感!『無限の住人』現場に潜入

沙村広明原作の人気コミックを木村拓哉主演で三池崇史監督が実写映画化する『無限の住人』(17年4月29日公開)。今年1月上旬、京都・太秦近郊の山間で行われた撮影現場に潜入。そこで三池監督に心境を聞いた。

不死身の肉体を持つ侍の死闘を圧倒的な画力で描き上げ、海外からも高く評価されている原作の映像化にあたり、何度も衣装合わせを重ねて撮影に臨んだという。そこには監督が抱くプレッシャーもあったようだ。

「特にこの作品は恐いですよね、作るのが。すごくいい原作だし、いいキャラクターたちなので、原作者が『やっぱり映画にしなきゃよかった』とか、架空の人物ですけど万次が『いや、オレはそんな男じゃねえぜ!』とか、そういうものと戦わなきゃいけない。『これはいけるな』って確信をつかんでいくために、具体を詰めて進めていったということです」

主人公・万次を演じる木村とは今回が初タッグ。特殊メイクで片目を塞ぎ、激しい殺陣に挑むだけでなく、極寒の中、薄い着物を纏って裸足で現場に立ち続ける木村の役者魂を絶賛する。

「(木村との仕事は)エンタテインメントを作っている人間としては夢。母親もびっくりしていますからね。『あんた、いよいよ木村拓哉と!すごいなあ』って(笑)。実際の彼はスターというよりコツコツ型で、ひとつひとつに全力。メイクで片目を潰しているから、立ち回りでも距離感がわからないはず。でも、『(片目を)潰してないと、実際動いた時に人間だから無意識に目が開いてしまう。開いちゃうから潰さないと無理です』って言って、ずっとやっている。それでずっと裸足。条件の悪いところでズタズタになりながら、ずっと。驚きですよ、すばらしいと思います」

撮影現場には、万次が命を捧げて守ろうとする少女・凜を演じる杉咲花や、万次の宿敵・天津に扮する福士蒼汰、原作の人気キャラクター・槇絵役の戸田恵梨香の姿もあった。監督から福士に、「もっと暴力的に、そして美しく!」と声がかけられていた。三池監督が“暴力”を表現する理由とは?

「暴力は美しいものでないし否定すべきものなんでしょうが、その瞬間になにか光るものがある。どうしても逃れられない人間の本質というか、動物として生きていくための本当の姿というものが、時代劇だと出せるんです。本音をぶつけて、あとはどっちが強いか。現実世界では、そうあるべき局面でも皆ルールに沿って平和に生きている。それゆえに生まれるストレスみたいなものを発散して突きつけられることが、自分にとっての時代劇のおもしろさです」。【取材・文/Movie Walker】

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