【体験レポ】『RANMARU 神の舌を持つ男』の佐藤二朗との宴会に参加してみた(前編)

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【体験レポ】『RANMARU 神の舌を持つ男』の佐藤二朗との宴会に参加してみた(前編)

『トリック』や『SPEC』シリーズの堤幸彦監督×向井理主演の“温泉ギャグミステリードラマ”が遂に映画化。『RANMARU 神の舌を持つ男』(12月3日公開)では、山梨県の秘境にある赤石温泉の宿でロケを敢行した。本作では堤幸彦作品には欠かせない個性派俳優・佐藤二朗が、向井や木村文乃と絶妙な掛け合いを見せている。今回、佐藤と共にロケ地の明石温泉で宴会を楽しむというご機嫌な1泊2日の温泉ツアーが11月某日に開催。その愉快なレポートをお届けする。

“絶対舌感”という特殊能力を持つ男・朝永蘭丸(向井理)が、古物骨董商のウザイけど超かわいい甕棺墓光(かめかんぼひかる/木村文乃)や、宮沢賢治にやたら詳しい宮沢寛治(佐藤二朗)と共に、温泉地で起こる事件に巻き込まれていく。堤監督が30年も温めてきたコメディということでかなり監督の鼻息が荒く、ハイブローなギャグやパロディの盛り込み方がハンパじゃない。

蘭丸たちが訪れる宿は「旅館 菩辺美庵(ボヘミアン)」。財前直見演じる花乃は葛城ユキを「神」とあがめ、十八番の「ボヘミアン」を熱唱する。赤石温泉の宿にはまだ「菩辺美庵」の看板がそのまま残されていた。2時間サスペンスドラマへのオマージュもふんだんにちりばめられた本シリーズだが、たまたま取材日も2サスの演出のように霧が立ち込め、秘境ならではの情緒がたっぷりだった。

蘭丸が三助をする野趣あふれる露天風呂は、宿のご主人・保坂卓さんによる手作りだと聞いてびっくり。器用なご主人で、館内外の施設はもちろん、ド迫力の妙蓮の滝への遊歩道まで、持ち山の木を切り出して作り上げたそうだ。さらに「秘湯の灯」という歌の詩を手掛け、自主製作のCDまで出されているご主人は、キャラの濃さまで「神の舌を持つ男」の世界観とマッチしていた。

しかも看板などには、遊心もチラリ。たとえば看板「苦無胃腸護養足御宿」は、「くないちょうごようたしのやど」と読むと説明されて思わずのけぞる。また、敷地内に構える水車「水回通輪」には「スカイツーリング」というフリガナが。「妙蓮の滝に住む龍神のパワーをお借りしております」とあるが、確かにド迫力の妙蓮の滝を前にすると、もはや問答無用という感じの説得力があった。

その後、夕方からメインイベントの佐藤を囲む大宴会がスタート。浴衣姿で現れた佐藤は『RANMARU 神の舌を持つ男』について「(向井)理も木村(文乃)も本当に頑張りました。理はさすがの座長でした」と共演の2人を称えた後「ああいう過酷な現場をやると、気楽な気持ちになりたくなるんです。今日はみんなで楽しみましょう」とリラックスした表情を見せた。

ツアーの参加者は男女2人組や女性グループ、熱烈な佐藤二朗ファンの個人参加組とバラエティに富んでいたので、まずは自己紹介を開始。

佐藤は、まるで気のおけない仲間たちとの飲み会のような雰囲気で、参加者たちをいじり倒していく。「彼氏はいるの?」「年齢はいくつ?」「職業は?」と容赦ない質問をビシバシぶち込む。ドカンドカンと見事に笑いが起きていき、気がつけばほとんど初対面同士の参加者の間で、心地良いグルーブ感みたいなものが生まれていく。

その後は「神の舌を持つ男」シリーズと佐藤二朗にまつわるクイズ大会へ。中にはいろんな衣装を着た甕棺墓光の6枚のスチール写真を登場順に並び替えるといったものや、映画の副題をフルで書くという難度の高い問題も出題され、大いに盛り上がりを見せる。

ちなみに映画の正式タイトルは『RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編』。

残念ながら正解者は皆無だったが、参加者たちはディープな映画の内容を物語る副題を改めて確認し、ますます映画への期待感に胸を膨らせたようで結果オーライか。そして、この後で佐藤二朗の「爆笑お悩み相談コーナー」が展開される。※後編に続く【取材・文/山崎伸子】