支持する?しない?映画『僕キミ』が描く原作にない“その後”
心臓病で「20歳まで生きられない」と余命宣告された逞(たくま)と、幼なじみの繭の初恋を描く、井上真央×岡田将生共演の純愛映画『僕の初恋をキミに捧ぐ』(10月24日公開)。原作は青木琴美の同名コミックだが、映画では原作にはない、ふたりの“その後”が映像化されている。
原作は、松本潤主演で映画化された同作者の「僕は妹に恋をする」のスピンオフ作品だ。それぞれ「僕妹」「僕キミ」と略され、熱狂的に支持される作品だけに、「僕キミ」映画版にも熱い視線が寄せられていた。
それで井上真央と岡田将生がキャスティングされた時は「ナイス!」と思ったし、中学生時代から演じるふたりに違和感はなく、少女漫画独自のノリにも好意的に入れる。物語も多少設定変更があっても原作通りだが、特筆すべきは映画のラストである。
ネタばれ厳禁なので詳しくは語れないが、コミックでは青木琴美がふたりのその後をある意味、読者に託しているが、映画ではしっかりと提示している。監督と脚本は、『ただ、君を愛してる』(06)の新城毅彦と坂東賢治という恋愛映画が得意なコンビ。本作を観れば、このふたりが「僕キミ」をどう解釈したのかが分かる。
原作者・青木琴美は結末を描くのは蛇足だと思ったそうだが、映画については「原作者じゃなかったとしても、この映画が大好き」と賛辞を送っている。さて、原作ファンはこの結末をどう見るのか? ぜひ映画と原作の両方を観比べてみて。【Movie Walker/山崎伸子】
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