ハル・ホッパー
Sidney
レイモンド・F・ロックとウィリアム・E・スプラーグの脚本を、「肉体の罠」のラス・メイヤーが監督した性的変質者の愛欲ドラマ。撮影はウォルター・シェンク。音楽はヘンリー・プライスが担当した。出演はハル・ホッパー、アントワネット・クリスチャーニ、ジョン・ファーロングほか。製作はラス・メイヤーとジョージ・コステロ。
1932年、禁酒法が施行されていた頃のアメリカ。過失による殺人罪で服役していたカリフ(ジョン・ファーロング)は、刑期を終えると再出発を決意して、ミズーリ州の小さな農場にやってきた。農場主のウェイドと彼の姪ハンナ(アントワネット・クリスチャーニ)はカリフに好感をもったが、ハンナの夫シドニー(ハル・ホッパー)だけはそうでなかった。彼は性的変質者で遊んでばかりいたが、その異常な神経でカリフとハンナの関係を疑いだした。しかしカリフはシドニーの策略にはのらなかったが、いつしかハンナを愛するようになった。その頃ウェイドが死に、遺産がハンナとカリフのものになった。シドニーの異常性はますます度を加え、牧師の妻を沼地で暴行したうえ殺害してしまった。村中騒然となり、シドニーは群衆のリンチにされかけた。その時かけつけた保安官は正当な裁判を主張したが、憎悪にかたまった牧師は、自らの手でシドニーを殺した。
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