O・W・フィッシャー
Friedrich Struensee
西独映画界の大家というハラルト・ブラウン監督の作品が初めて紹介される。十八世紀デンマーク王室を舞台にしたメロドラマ。ロベルト・ニューマンの『王妃の寵臣』をもとに、オド・クローマンとゲルハルト・メンツェルが共同で脚本を書いた。撮影はギュンター・ゼンフトレーベン。音楽はヴェルナー・アイスブレナー。出演は人気俳優オー・ベー・フィッシャー、「スピードを盗む男」の仏女優オディール・ヴェルソワ、「追いつめられて……」」のホルスト・ブッフホルツのほか、ギュンター・ハダンクら。
十八世紀の中頃、デンマークのクリスチャン王(ホルスト・ブッフホルツ)は幼時の精神薄弱の病状が顕著になった。継母ユリアナ皇太后と側近は、王の統治不能を理由に皇太后の実子をたてる陰謀を企てた。その頃、ドイツから専門医シュトレンゼ博士(O・W・フィッシャー)が招かれた。十九歳のクリスチャンは英国王女マチルデ(オディール・ヴェルソワ)を妃に迎えた。が、彼女は病的な王を恐れ結婚式の夜以来郊外のヒルシホルム城に別居した。しかし、王は彼女を愛していた。博士は王を診察し正常であると診断した。皇太后一派はあわてた。博士の治療法によって、王は日一日と快方に向い王としての自覚を持つようになった。マチルデも王のもとにかえり、博士は王の全面的信頼を受けた。ある事件を理由に首相ベルンストフ伯以下全閣僚を罷免した王は、シュトレンゼを首相に指名し、彼の急進的な国家改革案実施の権限を与えた。彼は農民の生活向上につくした。権力と栄誉を一身に集める彼にも、破滅の時が来た。王妃との姦通と国王に対する不忠で告発された。王妃とシュトレンゼの仲は王以外の誰もが知っていた。しかし、王も王子の首に博士と同じアザを発見してそれを知った。首相反対派は動きだした。国王クリスチャンは発狂した。王室高等裁判所はマチルデとシュトレンゼに死刑を宣告、マチルデが国外に退去するなら命を助けるという。彼女はシュトレンゼと一緒でなければ退去しないといった。再度首相になったベルンストフ伯はシュトレンゼを説いた。彼はマチルデに嘘をついて彼女を船に乗せ、自分は死刑台に上った。
Friedrich Struensee
Queen Mathilde
King Christian
Prime Minister Bernstorff
General Rantzau
Empress Dowager Juliane
Gertrud von Eyben
監督
脚本
脚本
原作
撮影
音楽
衣装デザイン
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