アンソニー・クェイル
Haward Phillips
フィリップ・キングの原作をガイ・エルムズ、ミッキー・デラマーが脚色、テレンス・ヤングが演出した青春ドラマ。撮影はジョルジュ・ペリナール、音楽レイトン・ルーカスが担当した。出演者はアンソニー・クェイル、サラー・チャーチル、アンドリュー・レイ、アイリーン・ブラウン、ペシー・ハーバートなど。
従軍牧師だったフィリップス(アンソニー・クェイル)はベリグトンの町の教会に赴任した。町に非行青少年の多いのを知り、教会附属のクラブを開放し、彼等を善導しようとした。前牧師の娘ピータス(サラー・チャーチル)は、彼の真摯な態度に、次第に愛情を感じるようになった。或る日、非行青少年のリーダー格トンプソン(アンドリュー・レイ)の弟カーリーが事件を起して拘引され、フィリップスは早速、カーリーの弁護に立ち、身柄を引き受けた。しかし兄トンプソンの非行は止まなかった。ある日フィリップスは町でマリーという娘に会う。マリーはトンプソンと関係の末妊娠し、その処置に悩んでいたのだった。教会からの帰途、マリーは、トンプソンが他の娘と仲良くしているのを見て、自殺した。そんなトンプソンを、フィリップスは説得するが、逆に乱暴された上、彼の父の誤解を買い、殴り合いをしてしまった。牧師が暴力をふるったことは町の人々に大きなショックを与えた。フィリップスは教会を辞める決心をした。町の人も、旅行から帰って来たフィリップスの母も、その誠意を理解してフィリップスを引きとめたが、彼の決心は堅かった。
[c]キネマ旬報社