イタリア・アルミランテ・マンツィーニ
Vielka
美しきジプシーの女王が譚り。恋は生命を尽し、種族を捨て、漂泊になおその赤き花を開く。情熱の権化ジプシーの譚り。全篇に濃い気分を漲して、奔放不覊の情火の蔭に何処か底知れぬ寂しさを宿すジプシーの女の恋譚りをよく伝えている。(無声、染色。全四篇)
ロマンスの精華ジプシーの一種族の頭領が娘ヴィールカは他の同族のシンデルという頭領と恋に陥ったが、父は己が同族のグドロなる男に嫁はさんとしていた。情熱赴くがまま、恋は心の糧ぞと、ヴィールカは父親に勘当されてまでその恋を捨てなかった。彼女は所々流浪の末、家に帰ったが又も父との心合わず漂いの身となるが、ある嵐の日に山中の小屋に雨を避けていると偶然シンデルが若き女性をいたわっている場面に逢い、嫉妬を起す。その内に父は死しヴィールカは迎えの者と種族に帰っていた。折柄シンデルは彼女に結婚を申し込んだが彼女は嫉妬の為に拒絶し、のみならず彼を殺害しようとまでした。しかしやがてヴィールカが妬んでいた女はシンデルの妹であった事が分明し、ここに二人は楽しき結婚の日を待つ事となった。
Vielka
Jammadar
Sindel
Gudlo
Radossia
The Parson
Leander Klotz
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