ハンガリア狂想曲:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
ハンガリア狂想曲
ハンガリア狂想曲
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ハンガリア狂想曲

1929年公開
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有名なリスト作曲の『ハンガリア狂想曲』にテーマをとり「アスファルト」のハンス・スツェケリー氏がストーリーを組立て、同氏とフレッド・マヨー氏とが脚色し、ハンス・シュワルツ氏が監督したもので、「帰郷(1928)」のディタ・パルロ嬢、「ワルツの夢」のヴィリー・フリッチ氏、「タルチュフ」のリル・ダゴファー嬢その他が出演するウーファ社特作品の一つである。カメラは「ニーベルンゲン」のカール・ホフマン氏担当。サイレント版として作られたが、アメリカに渡ってパラマウントが配給する際に再編集し、伴奏音楽をシンクロナイズした。(サウンド版)

ストーリー

丁度古いトーケー酒のように強い烈しい太陽が収穫時のハンガリア平原を照らしている。涼しい木陰には野外演習から帰って来た驃騎兵の一隊が休息している。青年将校トゥロッチー中尉もその一人である。その時、遠い地平線から一つの馬車が浮き上って来る。中に乗っているのは大地主とその娘マリカである。中尉は早速立ち上って二人を迎える。この若い中尉は長い間マリカと愛し合っていた。だがマリカの次に愛しているのは自分の軍服であって、マリカたちの務めである野良仕事をすることは好まなかった。働らくのがいやなのだろうとマリカに言われて彼は鎌を握り農夫の群の中に入ってゆく。その夜、地主の邸に厳格なセドラック将軍とその若い夫人が訪れる。年老いた将軍はすこぶる嫉妬深い。しかし愛妻から収穫祝いの祭りを見たいと言われては断ることも出来ない。芳淳な夏の夜は情熱の息吹きで香ぐわしく匂っている。トゥロッチー中尉はマリカを誘い出し満月の公園に媾曳する。情熱にすぎ理性を欠いた中尉の行動にマリカは走り去ってゆく。中尉は月光の中を一軒の酒場に辿りつきジプシーの踊りの仲間に入って恋の悩みから忘れようとする。彼は偶然美しい夫人とめぐり合う。その女というのは老将軍の夫人であった。二人は懇ろになり果ては熱いくちづけさえしようとする。ジプシーは電話でこの様子を老将軍に密告する。将軍は烈火の如く怒って馬車で館にかけつける。館では若い将軍夫人が中尉の奏でる小夜楽にきき惚れている。ついに夫人は彼が自分の部屋に入りこもうとするのを拒み得なかった。自分の窓からすべてを見たマリカは嫉妬に苦しみ悶えていたが、将軍が大変な権幕で帰って来たことを知って中尉を救うために或る決心をする。たけり立った将軍が妻の寝室に飛びこんで来た時、夫人はたった一人で無邪気に本を読んでいた。次ぎの部屋の扉を押し開いた将軍はそこに寝衣を来たマリカとトゥロッチー中尉とを見た。中尉はここに於いて自分のとるべき道を知った。マリカとの生活には烈しい労働が、しかし楽しい幸福が待っている。そしてマリカはそれだけの犠牲に価いする女である。彼は喜んで鋤と鎌とを握った。

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作品データ

原題
Die Ungarische Rhapsodie
製作年
1929年
製作国
ドイツ
配給
東和商事
初公開日
1929年
製作会社
ウーファ


[c]キネマ旬報社