クリスティナ・ヤンダ
Tonia Dziwisz
故なき疑いを受け拘留され、5年に渡る〈尋問〉という名の拷問に耐え忍んだ女性の過酷な運命のドラマ。エグゼキュティヴ・プロデューサーはアンジェイ・ワイダ、製作はタデウシ・ドレヴノ、監督はドキュメンタリー出身のリシャルト・ブガイスキ、脚本はブガイスキとヤヌーシュ・ディメクの共同、撮影はヤツェク・ペトリツキが担当。出演はクリスティナ・ヤンダ、アダム・フェレンツィほか。
1951年。夜はキャバレーで歌う女優アントニーナ(クリスティナ・ヤンダ)は夫と口論してムシャクシャした腹いせに、見知らぬ二人の男に誘われるままひどく酔っ払ってしまう。気がつくと彼女は留置所にいた。あの男たちは実は秘密警察官だったのだ。担当の大佐(アダム・フェレンツィ)と若いタデウス中佐(ヤヌーシュ・ガヨス)による尋問が始まるが、彼女は何故捕まったのかまるで覚えがない。必死で反論するも相手にされず、プライヴァシーを洗いざらい白状させられる。やがて彼らの目的がアントニーナがかつて一度だけ一夜を共にしたことのあるオルツカ少佐をスパイ容疑で告発することにある事が分かってくる。同房のホノラタやミラ・シャイネルト(アンナ・ロマントフスカ)らは偽証を勧めるが、彼女には嘘の証言はできない。そしてついに大佐による拷問か始まった。必死に耐える彼女に追いうちをかけるようにミラの裏切りと、夫との離婚がもたらされる。アントニーナは自殺を図るが一命を取り止め、移された先の病院で既に人格を失ってしまっているミラに再会する。長い年月が過ぎ、大佐が去った後残ったタデウスとアントニーナの間には奇妙な共感が芽生え始めていた。が、尋問はまだ終わらなかった。オルツカは既に処刑されたというのに。そしてある夜の尋問の後、二人はついに関係を持つ。やがてアントニーナは妊娠し、房内で出産した。だがそこで生まれた子供たちは生後すぐ母親から離され、施設に預けられる。また何年か過ぎ、ついにアントニーナは釈放されることに。そしてその朝、タデウスはピストルで自殺をはかった。子供を引き取りに行った彼女はそこで思わぬ光景を目にするのだった。
Tonia Dziwisz
Dadeusz Morawski
Major
Witkowska
Mira Szajnert
Konstanty Dziwisz
監督、脚本
脚本
製作
製作総指揮
撮影
美術
編集
字幕
[c]キネマ旬報社