松田優作
BJ
生活のために私立探偵をやる元刑事で売れないブルース・シンガーの活躍を描く。脚本は「翔んだカップル」の丸山昇一、監督は「影の軍団 服部半蔵」の工藤栄一、撮影は「野獣死すべし(1980)」の仙元誠三がそれぞれ担当。
元刑事で売れないブルース・シンガーのBJは、生活のために、仕事の合い間に私立探偵をやっている。その日も家出少年、近藤明を捜して、横浜を支配するファミリーのボス牛のところに来ていた。明はBJに「もう捜さないでくれ」と伝えてくれと話す。翌日、BJはかつての仲間、刑事の椋圭介とゴルフ場で会った。椋は部下の紅屋、BJの前で、何者かに狙撃された。圭介の妻、民子はかつて、BJの恋人で、紅屋は彼女をとられた腹いせに、誰かに狙らわせたのだろうとBJに詰め寄る。一方、BJも親友圭介狙撃殺人の捜査を独自に始めた。圭介はファミリーに接近しすぎたため、警察からも組織からも危険な存在となっており、近く辞職して、国外脱出を考えていた。BJは、椋が撃たれたのと同じ銃を、牛の片腕の蟻が持っていることを思い出した。蟻を追うBJは、彼も近日中に国外に出ることをつきとめる。蟻の女から、彼は現在、男にしか関心を示さないこと、ハード・ゲイの4人の男と関係していることを聞きだした。4人の集まる店に、なんと明も来ていた。明は、牛のペットとして、美しく飾られ、愛されていた。BJは明と話しているうちに、親しみを持つのだった。一方、民子はBJを何かと避けようとする。ゲイの一人から蟻の行方をつかんだBJだが、反対に敵に捕えられてしまう。その夜、大きな麻薬取引のあることを聞いた。脱出したBJは、取引に向う車のトランクに隠れ、現場に同行した。そこへ、紅屋が現れ、一味を射殺すると金を奪って行く。後を追うBJ。紅屋の車に爆薬が仕掛けられており、彼はアクセルを踏むと、車もろとも吹っ飛んだ。そして、金も消えていた。横浜港に向う道の途中に、BJが待ちかまえていると、何と死んだはずの椋が車でやって来た。すべて、椋が仕組んでいたのだ。金を奪い国外脱出を計画していた椋をBJは射殺する。金を持ったBJは横浜港に向うと、出航を控えた船のタラップに、主人の椋を待つ民子の姿があった。岸壁に立つBJの姿を見とめた民子。BJは金の入ったトランクを置くと、民子に手を振って去っていくのだった。明は車のトランクの中に死体で見つかり、BJは彼を美しく化粧するのだった。
BJ
椋民子
蟻鉄雄
近藤明
ヨシヲ
紅屋悟志
林ミドリ
日向和美
笹森礼美
牛宅麻
安永
鳥井
田丸
中国人
堀功
近藤こずえ
除除
椋圭介
監督
脚本
原案、歌、主題曲
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
企画
企画
色彩計画
スチール
記録
制作補
制作補
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