スパイ(1965)|MOVIE WALKER PRESS
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スパイ(1965)

1965年9月4日公開,95分
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夏堀正元の“罠”を、「続・兵隊やくざ」の舟橋和郎が脚色、「にっぽん泥棒物語」の山本薩夫が監督した社会もの。撮影は前田実。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

中央新聞社社会部記者須川康夫は、長崎県の大村密入国者収容所から脱走した韓国学生李起春の事件を追って大村へやって来た。責任者に会った須川は脱走当日警察庁外事課の鵜崎三郎という警部が訪れたことを聞き、疑惑を深めた。警察庁に鵜崎という警部はいないはずだ。李は朴政権反対のデモの指導者として逮捕投獄されたが、脱獄して密航して来たのだ。李の前には、送還、死刑がつながっている。完全に謀略事件とにらんだ須川は、さらに追求をすすめた。その頃山谷のドヤ街で韓国外務大臣の訪日に際し日韓会談反対のデモに参加する者に日当を払うというビラが、在日北朝鮮系組織の名を使ってまかれ、京都の朝鮮人少年に韓国から徴兵通知が舞い込んだ。須川はこの出来事と李の事件は関係あるとにらんだ。馴染のバー“雨の木”に、須川が紹介したホステス則山茂子を訪ねた須川は、偶然小学生時代の友人井村に出会い、茂子が二年前外国人の毒牙にかかろうとしていたところを井村に助けられて以来彼と関係を持っていたことを知ったが、その茂子の身体を犠牲にしてまで東北アジア軍事同盟に関する情報と左翼情報との交換を申し出る井村に須川はスパイ特有の臭いをかぎとった。李の足取りがつかめぬ須川に男が車で拉致されるのを見たというニュースが入った。暗がりの出来事で顔は確認出来ないが、男は李起春に相違ないと思われた。主犯の男は井村かもしれない。須川は同僚の紺野と命がけで、井村の写真を撮った。この写真により、拉致事件の助手席の男と、鵜崎警部が同一人でみることが判明した。数日後、新潟海岸に乱数表と無電機を携帯した漂流死体があがった。かけつけた須川は、顔こそちがうが指紋検証の結果李であることを確認した。話を聞いた李の父の友人金容実は、李は大阪の友だち崔に預ってもらっているので、そんな筈はないと否定したが、大坂の李はスパイ組織のたてた替え玉であった。身の危険を感じて、帰還船に乗ったニセの李を、新潟に追った須川は、彼を保護する寸前、後をつけたスパイ組織に李を狙撃されてしまった。ニセの李摘発事件は井村の組織内の立場を、困難なものとした。井村は、須川を消さなければ、自分の命が危ないことを感じた。そうしたある日茂子から電話で呼ばれた須川、アパートに待っていた井村と命をかけて対決した。間にはいった茂子は流れ弾にあたって命を失い、井村もアパートから飛び降りて、自ら命を絶った。須川は遂に謀略機関告発の手掛りを失った。だが、組織を必ず捜すことを決意するのだった。

作品データ

原題
The Spy
製作年
1965年
製作国
日本
配給
大映
上映時間
95分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.0
  • たっかん

    3
    2015/5/10

    2015年5月10日、神保町シアター『田宮二郎 特集上映』にて鑑賞。

    何気なく観に行ったのだが、山本薩夫監督作品であった。(そういえば、この特集上映が発表された時に「山本薩夫監督作品の未見作品だから観に行こうかなぁ」と行くことにしたのを忘れていた……)

    在日韓国人リー(山本学)が脱走するが、リーをスパイに利用しようとする井村(中谷一郎)など悪人たちによる計画的な脱走幇助だった。

    田宮二郎は新聞記者=須川の役であり、この一人の脱走事件を知って「なにか『黒い霧』がありそうだ…」との直感から調べ始める。

    そんな折、須川は行きつけのバーで茂子(小川真由美)と出会うが、実はこの茂子は井村の愛人。
    また、須川と井村が、実は小学生時代の同級生だったというあたりは、なんか出来過ぎな設定という感あり。
    まぁ、そのあたりには目をつぶって物語展開を楽しむことにすれば、須川の「私は、謀略機関を必ず暴いてみせる」と言う姿勢は、社会派の山本薩夫監督らしさが出ている。

    まずまずの娯楽作。

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