『リバウンド』で実在のコーチを熱演!個性派俳優アン・ジェホンが放つ唯一無二の存在感|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『リバウンド』で実在のコーチを熱演!個性派俳優アン・ジェホンが放つ唯一無二の存在感

コラム

『リバウンド』で実在のコーチを熱演!個性派俳優アン・ジェホンが放つ唯一無二の存在感

高校の弱小バスケットボールチームが奇跡のような快進撃を見せて、韓国中を驚かせた実話を基にしたスポーツ感動作『リバウンド』(4月26日公開)で、情熱的に生徒たちを導くコーチを演じているアン・ジェホン。多彩な作品で独自の存在感を発揮する個性派俳優の軌跡を振り返ってみたい。

【写真を見る】10kg増量して実在のコーチを“完コピ”した『リバウンド』のアン・ジェホン
【写真を見る】10kg増量して実在のコーチを“完コピ”した『リバウンド』のアン・ジェホン[c]2023 NEXON Korea Corporation, B.A. ENTERTAINMENT, WALKHOUSECOMPANY ALL RIGHTS RESERVED

「図々しいのに魅力的」なキャラクターを演じて人気を集めた“次世代ソン・ガンホ”

アン・ジェホンの名を一躍広めたのは、ドラマ「恋のスケッチ~応答せよ1988~」だった。当時29歳だった彼が演じたのは大学を目指して6浪中のジョンボン。勉強には全然身が入らず、切手収集や電話帳で珍名さん探しをして日々過ごしている。かなり変わったクセのある人物だが、ひょうひょうとした表情のアン・ジェホンを見ていると、次第に好感が持てるようになる。劇中で恋に落ちたジョンボンが、カン・ドンウォンやヒョンビンが主演した作品の伝説的ラブシーンを再現する場面は、今なお忘れられない。この役のために10kg以上も増量し、イケメンとは言えない外見で演じているにもかかわらず、なぜだかかっこよく見えてしまうから不思議だ。

「恋のスケッチ~応答せよ1988~」で演じたジョンボン+ラブリーで「봉블리(ぼんぶり)という流行語を生んだ
「恋のスケッチ~応答せよ1988~」で演じたジョンボン+ラブリーで「봉블리(ぼんぶり)という流行語を生んだ[c]tvN

ジョンボンのキャラクターは中国でも人気を集め、あるドラマではヒロインの友人が大ファンという設定で、彼の顔写真付きうちわを使う場面が登場したほど。それだけこの役が多くの人の心をつかんだことがわかる。ただ、アン・ジェホン自身は以前から独立系映画では高い評価を得ていた。『1999、面会』(12)に続き『足球王(原題)』(14)で各賞を受賞し、“次世代ソン・ガンホ”と称される映画界のホープとなった。

本人は別に笑わせようとしているわけではないのに、ちょっとした表情や動きによってなんとも言えないおかしみを感じさせる。そこが人とは違った彼独特の魅力で、誰もが認めるイケメンではなくとも、モテる役がしっくりくるゆえんかもしれない。「サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~」の通販会社の有能な社員ジュマンもなかなかのモテ役だった。ジュマンは結婚を前提に長年一緒に暮らす恋人がいながら、若いインターンに積極的に迫られてぐらつき、心ならずも2人を天秤にかけることになってしまう。普通なら視聴者の怒りを買いそうな役どころだが、ジュマンが思い悩む様子には親近感さえ覚えるくらいで怒る気にはなれない。アン・ジェホンには生来の愛嬌だけでなく、人の心を油断させて、多少のことなら許せてしまう気にさせる力があるようだ。

チョン・ウヒとカップルを演じた「恋愛体質~30歳になれば大丈夫」
チョン・ウヒとカップルを演じた「恋愛体質~30歳になれば大丈夫」Capelight Pictures / Courtesy Everett Collection

さらに、やけに図々しいのにそこが素敵、といったキャラクターを演じて最高の魅力を発揮する。『エクストリーム・ジョブ』(19)のイ・ビョンホン監督が手掛けた初のドラマ「恋愛体質~30歳になれば大丈夫」ではその魅力がうまく引き出された。テレビ局のドラマ制作部所属のボムスは、若くしてヒット作を連発したスター監督。常に自信満々で怖いものなしだから、一緒に仕事をすることになった新人脚本家に対しても最初は翻弄するような素振りを見せて、悪い男かとも思わせる。それでも彼女に惹かれていく自分に気づけば、その気持ちを素直に認めて向き合う。ボムスの微妙な感情の変化を淡々と見せるアン・ジェホンの職人技とも言える演技にうならされる。



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