岡田義徳
伊藤修司
同性の同級生に恋心を抱く青年、そんな彼に接近してくる風変わりな少女。同級の六人の17歳の男女が織り成す、ひと夏の青春群像劇。監督・脚本は「二十才の微熱」の橋口亮輔。音楽を元“男闘呼組”の高橋和也が担当し、主題歌も歌っている。主演はテレビ・ドラマ『正義は勝つ』の岡田義徳、『走らんか!』の草野康太、「麗霆”子!! 総長最後の日」の浜崎あゆみ。ぴあフィルムフェスティバルを背景に、東宝とぴあが提携するニューレーベル“YES”(Young Entertainment Square)の第一弾として製作された。第8回東京国際映画祭ヤングシネマ・コンペティション参加作品。95年度キネマ旬報ベストテン第10位。
高校二年生の伊藤修司は、同級生で同じブラスバンド部に属する吉田浩之にひそかな恋心を抱いていた。吉田はそんな思いには気づくはずもなく、修司に優しく接するのだが、それがかえって修司の気持ちを苦しめている。ある日、修司が音楽室で部活の準備をしているところへ、3カ月前に転校してきた果沙音が顔を覗かせた。何をするにもマイペースで周囲に媚びることをしない彼女は、クラスの鼻つまみ者的存在だった。果沙音は、清水と奸原がいる前で、修司が吉田のことが好きなのではないかと探りを入れてきた。鋭い洞察力に驚かされた修司は、以後果沙音とかかわりを持たないようにするが、彼女の方が次々と接近してくる。修司は、そんな彼女に「頭おかしいんじゃないの」と言い捨てた。興味本意で出したホモ雑誌の交際欄の返事が父親にバレて、精神科へ通うことになった修司は、そこで果沙音と出会う。彼女もまた強姦の経験から立ち直るようにと、親に半ば強制的に病院へ通わされていたのだ。一方その頃、リカへの気持ちを修司にだけ告白していた奸原は、リカに嫌われてしまった腹いせに、修司がホモで吉田に気があるとの噂をクラスに流していた。そのことでクラス中からからかわれた修司は、それをきっかけにして吉田に自分の気持ちを告白する。平静を装おうとしながらも動揺する吉田に、はっきり返事をしてくれと修司はキスまで迫るが、結果やんわりと断られた。ある日、教室で“カンパのため”と称して遊びの資金を集めていたリカのきんちゃくがなくなる事件が起きた。果沙音を犯人だと疑うリカは彼女に詰め寄るが、吉田がそれをかばう。結局、きんちゃくはリカの友人が持っていたことが分かって、果沙音は深く傷ついた。その夜、事件の後に吉田からいわれのない金を貰った果沙音がその金を返しにやって来る。果沙音に対して恋愛感情を抱き始めていた吉田は思わず彼女を抱きしめるが、忌まわしい記憶が蘇った果沙音は吉田を突き飛ばして逃げて行く。夏休み、昔の友人から果沙音の強姦事件のことを聞かされた吉田は、自己嫌悪に陥る。そこで吉田は疎遠になっていた修司をくどいて果沙音の田舎へ向かい、果沙音を見つけて謝るが、彼女は素っ気ない態度を示すばかりだった。夜、海で泳ぐ果沙音の洋服をふざけて着た修司が浜辺に座っていると、暗がりでその後ろ姿を勘違いした吉田が、彼女への気持ちを告白する。それに気づいた果沙音は岩場から、「私が男でも、私を好きになった?」と吉田に問いかける。答えあぐねる吉田に果沙音は、「あんたは私とヤリたいだけだよ。だったらやれば」と正体を明かして草むらに横になるのだった。しかし、それを目の当たりにした修司が海に飛び込み、スカートの裾が脚に絡まって溺れてしまう。吉田は修司を助けて人工呼吸するが、その途端、修司は目を覚まし、「やれば出来るじゃん」と悪戯っぽく笑った。翌日、修司と吉田は町に帰る電車に揺られていた。
伊藤修司
吉田浩之
相原果沙音
清水彩子
奸原とおる
松尾リカ
修司の父
根津先生
吉田公子
吉田法子
篠原先生
藤田先生
精神科の先生
監督、脚本
製作
製作
撮影
音楽、主題歌
編集
コスチューム
照明
録音
助監督
企画
企画
プロデューサー
プロデューサー
音楽プロデューサー
スクリプター
協力製作
協力製作
[c]キネマ旬報社