午後の曳航:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
午後の曳航
午後の曳航
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午後の曳航

1976年公開
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鋭い感性を持った少年と未亡人である母親、2人の前に現われた1人の船乗りの男。その3人の間に起こる心の葛藤を描いた三島由紀夫の同名小説の、日米合作というもののスタッフ・キャストが全て外国人という海外での映画化。製作はマーティン・ポール、監督・脚色は「暗殺」「女狐」などの脚本を書いたルイス・ジョン・カルリーノの初めての監督作品、撮影はダグラス・スローカム、音楽はジョニー・マンデル、編集はアンソニー・ギブスがそれぞれ担当。出演はサラ・マイルズ、クリス・クリストファーソン、ジョナサン・カーン、マルゴ・カニンガム、アール・ローデス、ポール・トロピア、ゲイリー・ロック、スティーブン・ブラック、ピーター・クラハムなど。

ストーリー

英国の小さな港町。夜、少年 は、母アン(サラ・マイルズ) が完全に眠りについたことを知ると家を抜け出した。息を切らして約束の倉庫に着いた時は、すでに『首領』(アール・ローデス)と仲間は闇の中に集合していた。『首領』と5人の仲間たちは秘密クラブを作り、互いに番号で呼びあっており、少年は3号だった。『首領』は13歳の少年にしては卓抜した頭脳と感性の持主であり、堕落した大人と、その大人たちが作りあげた世界を軽蔑していたので、1号から5号までの少年たちはそれに感化され共鳴していた。そんなある日、少年の深夜の外出は、母親のアンの知るところとなり、部屋に閉じこめられてしまった。怒った少年が部屋中を荒らしまわった時、偶然に隣の母の部屋を覗くことのできる小さな穴を発見した。ある日、ベル号という大きな船が入港したのを知った少年は、母にせがんで見学に行った。そこで少年にとっては『理想の男』、アンにとっては未亡人になって以来初めて心をときめかせた『男』--2等航海士ジム・キャメロン(クリス・クリストファーソン)に会った。3人は食事をし、色々な事を話し合った。そして、夜、少年は小さな穴から母親とジムとのセックスを覗き見た。それは完璧に美しかった。翌日、ジムは出航して行った。すがすがしい海の香りだけを残して去ったジムに少年は満足した。だが母は違っていた。彼女はジムが送って来る手紙をむさぼるように読みふけった。『首領』は、下等な大人の男女が考える事は同じで、ジムは英雄なんぞではなく、やがて結婚話でも持ち込む、と少年をからかった。少年は初めて『首領』に反抗した。しかし、『首領』の予測は正しく、再び帰って来たジムはアンに結婚を申し込み、2人はその事を少年に告白した。大人に例外はない、英雄は存在しない。ジムに対する怒りがさらに深める事件が起こった。覗き穴がアンに見つかって少年が怒られていた時、仲裁に入ったジムは、少年にとって耐えがたいほど偽善的な態度でその場を収めたのだ。少年は『処置』を仲間たちに相談した。『首領』はジムの存在を抹殺すべく少年たちに指令した。ベル号が出航する日、彼らは刃物と睡眠薬とゴムの手袋を用意し、少年がジムを誘い出した。ジムはすすめられるままに睡眠薬の入った紅茶を飲んだ。意識の遠くなったジムを前に、少年たちの処刑の儀式が始まった。海は午後の陽の光の中で蒼く澄みわたっていた。

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作品データ

原題
The Sailor Who Feel from Grace With in the Sea
製作年
1976年
製作国
アメリカ 日本
配給
日本ヘラルド
初公開日
1976年
製作会社
マーティン・ポール=ルイス・ジョン・カルリーノ・プロ作品


[c]キネマ旬報社