ノーカントリー|MOVIE WALKER PRESS
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ノーカントリー

2008年3月15日公開,122分
R-15
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作品賞など、アカデミー賞4部門に輝いたコーエン兄弟監督作。ある血生ぐさい事件にかかわった男たちの運命を、乾いた暴力とユーモアを織り交ぜて描き出す。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

1980年代のテキサス。ベトナム帰還兵モスが荒野で大金を手に入れた。しかし逃亡を図る彼を、シガーという謎めいた殺し屋が執拗に追跡。やがて両者の攻防は、地元の保安官ベルを巻き込んでいく。

作品データ

原題
No Country for Old men
映倫区分
R-15
製作年
2007年
製作国
アメリカ
配給
パラマウント=ショウゲート
上映時間
122分

[c]2007 Paramount Vantage, A PARAMOUNT PICTURES company. All Rights Reserved. [c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.0
  • rikoriko2255

    てと

    3.0
    2017/4/20

    大好きなコーエン兄弟とハビエル・バルデムが出ていて、さすがに前評判どおりにハビエル・バルデムは殺人マシーンの不気味さがすごかったです。
    「ファーゴ」のような、世の中は残酷で過酷なものだけど、それでも世の中はいいものだと思わせてくれる何かを期待してしまいました。
    「ファーゴ」でいうとフランシス・マクドーマンドの位置に近いのがトミーリー。良い味を出していました。
    地球に住む人間という生き物は面白いです。

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  • rikoriko2255

    レインボーパパ

    4.0
    2008/4/22

     兎にも角にもハビエル・バルデム演じる殺し屋シガーが恐ろしい。
     自分の流儀に忠実に、ただ忠実に感情なく人を殺めていくシガー。風貌や武器が怖いのではない。彼の内側からあらゆる人を本能的に怯えさせる何かを放出していて、スクリーンからそれが染み出してきているように感じられる。それが怖いのである。
     映画の途中から胃の腑あたりが気持ち悪くなってきた。
     彼が感情を持たないマシンであったなら、これほどの恐怖はなかっただろう。

     アメリカの抱える社会病理が凝縮されているような映画だ。見る価値はある。アカデミー賞の作品賞も監督賞もとっている。でも、心してみないと、伏し目がちに映画館を出ることになる。

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  • rikoriko2255

    keicyacom

    4.0
    2008/4/11

    最初から、惨殺場面で、怖かったけれど、先が見えないストーリー展開で、映画に引き込まれていきます。謎の殺し屋が、どのようなきっかけで、お金を狙うようになったのかは、よくわからなかったけど、コインの裏表で、人の生涯を操るとは恐ろしい限りです。

    登場している、田舎のおじさんおばさんは、普通によい人ばかりで、麻薬の闘争に巻き込まれたわけでもないのに、何の理由もなく殺されてしまいます。保安官もなすすべもなく、結局は、事件を解決することもできないし、かなり救いのないストーリーだと思いますした。

    淡々とした映像と、俳優のよさで引き込まれる映画です。万人向けではないと、思います。

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  • rikoriko2255

    やまひで

    4.0
    2008/4/10

     墜天使は遂に地上に降誕した。七三に分けた、何か1970年代風を思わせる、今の感覚から言うとオールド・ファションなヘア・スタイル。頭髪は黒。ワイシャツとスラックスも黒のいでたちで、極めは皮のブーツ。1980年のテキサスに舞い降りたこのルシファーは、スペイン人風の姿をし、目の下には隈を作り、手には屠殺用の高圧空気銃を持つ。そして、ネアンデルタール人のように膝から下を曲げたまま、膝から上は体を動かさずにスースーと歩き、顔は如何なる感情の動きも示さず硬直したままだ。否、感情という人間的なものは持っていないのである。このアンチ・キリストが神の如く人間の運命、生死を決めて歩き回る。しかもその生死の決定は「コインの表か裏か、どっちだ。」なのである。ちなみに、この人間の皮を被った「死の天使」の、この浮世での氏名は、アントン・シュガーという。(砂糖の意味の「シュガー」とは綴りが違うのであるが。)
     さて、このスリルとサスペンスの コ メ ディ ー は、まずはひょんなことから、麻薬取引のために用意された現なまを手に入れた子鼠が猿回しのサルとなって展開する。この雑魚を追うのが上述の黒猫シュガーで、シュガーの行く先々、その後には死体が次から次へと転がっているという寸法である。この殺人行にいつも一足遅れて道行するのが土地の老保安官ベルで、彼は現代(つまり1980年当時)の犯罪が普通の人間の理解を次第に超えて起きていることを嘆くのである。
     これだけのストーリーでは、コメディーにならないのであるが、これに謂わばコーエン節が入る。その代表的な例が殺人鬼シュガーととある田舎のガソリンスタンドの親爺との会話である。観客はシュガーが何者であるかを既に知っている。他方、人のいいガソリンスタンドの親爺はそれを知らずにシュガーにコイントスの賭けを強要される。何が賭けられているの分からなければ、答えようがないとがんばる親爺に、シュガーはその強圧的な態度で結局親爺に答えさせる。この二人の駆け引きの中に状況が作り出すある種の可笑しみが生まれるのである。この可笑しみは、これまでのコーエン兄弟の作品にいつも存在しているものであるが、この可笑しみこそがコーエン兄弟の天才性を支えているのである。可笑しみは、それがその十分条件とはならないが、ある事象又は事態がある規範性(ノルム)から逸脱することで発生する。だから、シュガーのようなアブノーマルな存在も場合によっては可笑しみを持ちうる。この際どい綱渡りの中に可笑しみが創造される。この意味で、本作品には繊細なユーモアの感覚を持って可笑しみを創り出せるコーエン兄弟の手腕が遺憾なく発揮されていると言うべきである。
     このブラック・ユーモアの精神(今回は血だらけのユーモアなので「レッド・ユーモア」とでも名づけたいところであるが。)に、老保安官ベルが体現する悲観的な歴史性が加味されて作品にその意味の深さが付与された。ベルは三代に亘って土地のシェリフを勤めてきた家系の者である。その、ある犯罪者に撃たれて下半身不随となった前代保安官の父親との会話の場面を通じて、無法者がいなくなった1900年ごろから現代にかけての時代の変遷というものが物静かに観ている者に伝わってくる。我々には約百年の月日が頭の中を駆け巡る。このシークエンスが前提になって、退職したベルが映画のラスト・シーンで語る黙示録的な夢の意味も理解できるのである。ワキのシュガーの印象が強い中、ベルがシテたる理由もこれで納得可能だろう。
     ちなみに、私の個人的な趣味からいうと、私は10年前の作品『ザ・ビッグ・リボウスキ』をコーエン兄弟の最高傑作と推奨したい。何故なら、そのユーモア性に加えて映像構成と映像美学の点でこれ程コーエン兄弟の才能が発揮された作品はないからである。

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  • rikoriko2255

    nakatadairake

    5.0
    2008/3/29

    ぼくは映画を観るまで、勝手にシガーを精神異常の殺人者だと思い込んでいたので、話が進んでいって単なる殺し屋だとわかったときの恐怖感といったら・・・
    ハビエル・バルデムの怪演はいろんなところで絶賛されているので、ぼくとしてはむしろ、モス役のジョシュ・ブローリン(『プラネット・テラー』のヘンタイ医師役も印象的)や殺し屋2役のウッディ・ハレルソンを褒めてあげたい。

    この映画は1980年のお話ですが、1980年といえばぼくが今の会社に就職した年です。そのころアメリカはもうすでにこういう状態だったんだなぁなんてことを考えたりして、なんかしみじみとしてしまいました。

    いい映画です。



    5月4日追記

    「血と暴力の国」と『ノーカントリー』

    今年観た映画でもっとも印象に残っている『ノーカントリー』。
    最後に保安官が夢の話を語るシーンで唐突に終わったという点だけが腑に落ちなかったので、原作も読んでみました。
    なるほど、原作はこういう構成になっていて、やっぱり主人公は保安官だったんですね。
    というわけで映画のほうも、もう一度観に行ってきました。
    再見して、かなり原作に忠実な映画づくりをしているなあと感心しましたが、保安官が叔父さんに語り始める「戦争の英雄」についての話から以降が省略されているので、唐突な感じがしたんでしょうね。
    映画的には、ああいう展開で充分おもしろかったんですが、原作とくらべてひとつ残念だったのは、モスがヒッチハイクの女の子をひろってエル・パソへ行くくだりがなっかたところでしょうか。モスと女の子との会話が抜群によかったので、その点はちょっとがっかり。
    とはいえ、けっして原作に力負けしていないこの映画もたいしたものだと、あらためて思いなおした次第です。


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  • rikoriko2255

    tom

    4.0
    2008/3/18

    不気味~~~!
    ハビエル・バルデムが演じるシガーはホンマ恐ろしい~~!
    こんな殺し屋、今までにない!
    アカデミー助演男優賞よりも主演男優賞でOK!
    ストーリーは追跡劇という単純なストーリになりますが
    でも全然飽きさせず、かといって激しい起伏があるわけでもないのに
    いつの間にか完全に引き込まていました。
    荒れ果てた乾いた地が独特の雰囲気を出し
    要所にベトナム戦争が絡んでいる。
    ベトナム戦争を期にアメリカが変わっていき
    異常になってしまったことを
    この作品は語ろうとしているんでしょうか・・・

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