アメリカの影:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
アメリカの影
アメリカの影
3.8

アメリカの影

1965年2月5日公開
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アメリカン・ニューウェーブの旗手、ジョン・カサヴェテスが台本なしで演出したセミ・ドキュメンタリー・ドラマ。撮影はエリック・コルマー、音楽はチャールズ・ミンガスが担当した。セリフは監督がその場面に応じて即興的な説明したものを語ったもの。出演はレリア・ゴルドーニ、ヒュー・ハード、ベン・カラザース、アンソニー・レイら無名の新人で、映画の中でも本名を用いてあるのは面白い試みといえる。ヒュー・ハードは大島渚の「飼育」に出演したことがある。

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ストーリー

ニューヨークのマンハッタンに住む、長兄のヒュー(ヒュー・ハード)、弟ベン(ベン・カラザース)、妹レリア(レリア・ゴルドーニ)の兄弟には、黒人の血が流れていた。兄のヒューが完全な黒人であるのに反して、2人の弟妹は、強く白人の血を受けていた。ヒューはナイトクラブの歌手として高名であったが、今では往年の人気もなく、一流歌手のプライドを守るヒューも、一家を支えるため三流ストリップ場に出演しなければならなかった。だがヒューがそこで知ったのは、客うけのしない惨めな自分であった。2人の兄に比べて虚栄心の強いレリアは、白人として通用する肌に、兄たちから独立したいという欲求を秘めて、ボヘミアンのグループに加わっていた。そして、あるパーティで白人青年トニーを知ると、身体を許した。レリアにとってこの経験は鮮烈であり、またトニーもレリアを心から愛していることを確信した。家まで送っていったトニーは、初めてレリアが黒人であることを知りショックを受けた。一方ヒューは、妹が白人に傷つけられたのを知り、トニーを追い返すと、2度と会わせようとしなかった。そして、トニーの努力も虚しく、レリアンはすさんだ心で、兄の友人に紹介された黒人青年と次のパーティに行くのだった。ヒューの弟のベンは自分の身体の中を流れる血に秘められた人種差別に絶えず苦しめられ、非行に走っていった。兄弟の中に流れる血に反撥しながらも、この兄弟は三人三様の道を求めて進んでいる。黒人ゆえに人生の苦労も多いが、ベンにとっては、生活の場よりも、自分の立場を知ることが大切なことであるようだ。

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作品データ

原題
Shadows
製作年
1960年
製作国
アメリカ
配給
東和=AT
初公開日
1965年2月5日
製作会社
マケンドリー・プロ映画


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