ロイ・ロジャース
Roy_Rogers
「ハリウッド玉手箱」「ブラジル」で片鱗を見せた、西部劇王ロイ・ロジャースが主演する1945年作品で、例の如く愛馬トリガーと「開拓者の子」楽団が出演する。相手女優は数回顔合せしているデール・エヴァンスで「拳銃の町」のジョージ・ギャピー・ヘイスを始め、かつては主役であったロジャー・ブライア、アーサー・ロフト、モード・エバーン等が助演している。脚本はジョン・K・バトラーの書きおろしで、監督は長く台詞監督をしていたフランク・マクドラルド、撮影はウィリアム・ブラッドフォード。
ロイ・ロジャースは彼が主宰する『開拓の子』楽団と共に、オクラホマのチェロキーからニューヨークへ出たが、一詐欺師のため一同一文なしになってしまった。折しも故郷のチェロキーから、家の当主ギャピイ・ウィッタカー老危篤の電報があった。ローイは途方にくれたが、同郷のペギー・レーンが歌手をしているのを思い出し、ようやく金を借りてチェロキーに舞い戻った。ところがギャピイ老の危篤は嘘で、隣家のレーンが喧嘩をしかけて来たための呼び寄せ状だった。ペギーも同じ日、祖母から電報を受け取って帰って来ていた。ローン盆地を半分ずつ所有しているこの両家は、昔から敵視し合って来たのである。ところが町の勢力家ガードナーが両家の土地をわがものにしようと企み、両家が仲違いするように策動したことを、ローイは知った。1日、チェロキー慣例の馬車競走が行われ、ウィッタカー家もレーン家も、自分の土地をかけて出場する。ガードナーは是非1着を占めようと、ウィッタカー家の馬車の水槽に秘かにガソリンを詰め、レース中火事を起こさせる。レーン家の御者は危険なので競走を棄権しようとした。ローイは代わりになり、ガードナーの馬車に迫るが、再び彼の奸計にかかり馬車は転覆した。しかしガードナー得意の祝賀会席上、映写された映画で彼の奸策は全く暴露された。ローイは商品の土地をレーン家と分け合い、ペギーとの不和もまったく氷解し、2人は微笑み合った。
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