監督
日本のサッカーリーグ“JFL”の中で、同じ長野県を本拠地とする松本山雅FCとAC長野パルセイロの因縁の対決と、両チームのサポーターたちの姿を1年間に渡って追ったドキュメンタリー。ナレーションは「ハンチョウ ~神南署安積班~」の安めぐみ。サッカーを通して、地域が活性化してゆく姿をリアルに映し出す。
ストーリー
日本のサッカー地域リーグの中で、最激戦区と言われる北信越リーグの“信州ダービー”。本作は、長野と松本による“因縁の対決=クラシコ”と、選手たちを支えるサポーターたちの熱き闘いの日々を、一年間に渡って記録した。ここでは、サッカーというスポーツを通して、地域に生きる老若男女が郷土愛に目覚め、自らの文化に誇りを持つことで活性化し、生き生きとした姿がリアルに映し出されてゆく。サッカーにおける“ダービー”とは一般的に、同じ本拠地を持つチーム同士の試合を指す。その中で、最も有名なのがスペインを代表するレアル・マドリードとFCバルセロナの“エル・クラシコ”(=伝統の一戦)だ。サッカーに留まらぬ、歴史的・民族的な対立構造を背景に持つ“宿命のライバル”である。そして、日本の“クラシコ”と呼べるのは、09年にJFL昇格を果たした松本山雅FCと10年に昇格を果たしたAC長野パルセイロの一戦。長野と松本が宿命のライバルとなった発端は、実に130年前にさかのぼる。明治時代の廃藩置県の結果、松本市を県庁所在地とした“筑摩県”と、長野市を県庁所在地とした“長野県”が成立したが、明治9年、筑摩県庁が原因不明の火事で消失し、それを機に、政府は“筑摩県”の信州地域を“長野県”に併合する。その後、松本側から起こる度重なる分県運動や県庁移転論を長野側が阻止するという争いが繰り返された。こうした歴史的背景の下に“信州ダービー”は信州という一つの国を二分する“因縁の対決=クラシコ”となったのである。そして2011年、JFLの舞台で再びクラシコが繰り広げられる。
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