『0円ハウス』『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』といった著作で現代のライフスタイルに問いを投げかけ、故郷の熊本につくった“ゼロセンター”で新しい生き方を模索する建築家、坂口恭平の姿を追ったドキュメンタリー。監督・撮影・編集は「船、山にのぼる」の本田孝義。
ストーリー
坂口恭平は早稲田大学建築学科在学中に路上生活者の家と出会い、家について、都市について、生活について根本的に考えることを始めた。なぜ、建築家は巨大な建築物を建てるのだろう。なぜ、私たちは身の丈に合った巣のような家を建てることが出来ないのだろう。数々の著作で路上生活者の生活をレポートしてきた彼は、2010年11月、ついに初の建築作品“モバイルハウス”の製作にとりかかる。師匠は多摩川の河川敷に長年暮らす“多摩川のロビンソンクルーソー”。材料はホームセンターで購入し、しめて制作費26,000円。師匠の叱咤激励を受けながら、移動用車輪付きの二畳の家がようやく完成した。設置場所は吉祥寺の駐車場。ところが多摩川から吉祥寺に移動という前日、東日本大震災が発生する……。