監督、撮影
福島県檜枝岐村に260年以上の間続く檜枝岐歌舞伎のドキュメンタリー。伝統を守るため、様々な課題を抱えながら練習に取り組む村人や中学生の姿を追う。監督は、テレビのドキュメンタリー作品を多く手がけ、本作が映画初監督となる安孫子亘。音楽・主題歌は、鹿児島県奄美諸島喜界島出身のミュージシャン、牧岡奈美。2013年6月8日より、福島県・フォーラム福島にて公開。
ストーリー
福島県の山奥に位置する人口630人の小さな村、檜枝岐村。江戸時代後期、お伊勢参りに出かけた村人がその帰りの道中に出会った歌舞伎を村唯一の娯楽に取り入れたのが、檜枝岐歌舞伎の始まりと言われている。それから近隣の部落にもあった歌舞伎は廃れるなか、260年以上もの間、檜枝岐歌舞伎は伝承されてきた。古典そのままの浄瑠璃を口伝えし、檜枝岐歌舞伎にしかない型や振りが今でも受け継がれている。檜枝岐歌舞伎は、約30人の村人で構成される千葉之家花駒座によって、5月12日の春祭、8月18日の鎮守神祭礼、9月3日の歌舞伎の夕べで上演される。春祭の上演から始まり、毎夜のように行われる練習、遠征公演、その合間に行われる若手への指導……。今、観客の大半は村人ではなく県外から来る観光客である。後継者育成など様々な課題を抱えながら、練習の日々は続く。中学生が文化祭で歌舞伎を演じることになり、1か月半、花駒座の指導を受ける。生徒たちにとって祖父の世代の座員から、演技だけでなく、挨拶や言葉遣い、礼儀や最低限の常識も知らず知らずに教わっていく。文化祭本番、たくさんの村人が優しく見守るなか、生徒たちの歌舞伎が上演される……。本作は、今、失われつつある古き良き日本の姿を残す、檜枝岐村の感動の記録である。
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