
最後の吉原芸者・四代目みな子に2005年から2010年まで密着したドキュメンタリー。インタビューのほか、在りし日の吉原のお座敷の再現も。収録した曲、お座敷芸は、『虎拳』、『菊慈童』、『どうぞ叶えて』、『かっぽれ』、『深川節』、『柳の雨』、『吉原さわぎ』。監督は、文学博士で映画初監督の安原眞琴。
ストーリー
吉原芸者のみな子姐さんを2005年夏から、彼女が亡くなる2010年の1月まで密着した映像記録である本作は、お姐さんへのインタビューから始まる。350年にわたる吉原の歴史やしきたりや、自身がどのように歩んできたかについて語るみな子姐さん。11歳で吉原に奉公した後は、休日もなく、1年中毎日、寝る間もなくお稽古とお座敷に上がる日々が続いた。彼女の芸は、こうして身についたものだった。その後、戦争や東京大空襲、吉原遊廓の終焉なども経験するが、彼女の吉原芸者としての誇りと意地は決して失われることはなかった。続いて、“特別なお座敷”をセッティングする。吉原芸者であるみな子姐さんと2人の浅草芸者衆にお願いして、今はなき吉原のお座敷の雰囲気を再現してもらうのだ。この日一段と輝いて見える定番の唄や踊りのほか、今やお姐さんしか知らないお座敷遊びや俗曲も披露してもらう。浅草の芸者衆も芸者という仮面を外して、素の姿で心から楽しんでいるように見える。最後は、吉原のお座敷で必ず歌われていた唄『吉原さわぎ』で締めくくられる。現在では『さわぎ』と呼ばれ、どの花街でも歌われているが、元々は吉原で生まれた吉原固有の芸である。
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
[c]キネマ旬報社