五代目坂東玉三郎
イワナガヒメジツハヤマタノオロチ
歌舞伎座で行われた名作の数々をHD高性能カメラで収め、劇場で上映する<シネマ歌舞伎>の第21作。歌舞伎座新開場葺落公演で上演された本作は、古事記・日本書紀に記された出雲の八岐大蛇(やまたのおろち)伝説を基にした近松門左衛門によるもの。姫から大蛇へと変貌する姿や、素盞嗚尊と八岐の大蛇との大立ち廻りが見どころだ。
素盞嗚尊は八岐の大蛇に奪われた十握の宝剣を取り戻そうと、出雲国の簸の川の近くまでやってくる。そこで高熱に苦しむ稲田姫と出会い、その袖を切り開いて熱病を治す。その後、姫が大蛇に人身御供として差し出される事を知った素盞嗚尊は、簸の川の川上で大蛇と対決。見事に大蛇を倒して姫を救い、宝剣を取り戻すのだった。
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