コーネル・ワイルド
Nick_Jargin
自動車レースのチャンピオンが主人公のアクション・ドラマ。「勇者カイヤム」のコーネル・ワイルドが制作・監督・脚本執筆・主演と1人4役を果し、自らテオドラ・プロダクションを起しての第1回作品。脚本はワイルドにジェームズ・エドミストンが参加執筆している。撮影監督は「ふんだりけったり」のダニエル・L・ファップ。主演はコーネル・ワイルドのほかワイルド夫人のジーン・ウォレス(「暴力団(1955)」)、「暴力行為」のメアリー・アスター、それにアーサー・フランツ。
アメリカ・スピードレースの最高峰"悪魔のヘアピン"と呼ばれる急カーブを擁する難コースを延々100周する大レースが始まろうとしていた。観衆の興味は2年前、無敗のまま引退したスピード王ニック・ジャーギン(コーネル・ワイルド)の返り咲き出場と、新チャンピオン、トニー・ボタリとの一騎討ちに集まっていた。ところで、前チャンピオンとして名声と富を余すところなく手に入れたニックが一度引退して、今またこの危険なレースに出場したのは何故だろうか。当のニックは、そのことを自らの運命として過去の出来事を想い出していた。かつて彼が弟のジョニーと一緒にレースに出たとき"悪魔のヘアピン"で後から来た弟に追越されまいとして彼の車に自分の車をぶつけて重傷を負わせた。弟の犠牲によってニックは優勝したが真相を知った彼の母に激しく憎まれるようになった。その上ニックは財政的援助を受けていたラインゴールドの愛人ケリー(ジーン・ウォレス)を自分の恋人としたため失脚を狙われるに至った。ニックは引退した。ところが、傲慢なニックに敵意を抱いていたスポーツ記者ヒューストンは彼を再びレースに出場させ現チャンピオン、ボタリと戦わせ葬ろうと連日センセーショナルな記事を新聞に書いた。こうしたラインゴールド、ヒューストンの誘いにニックは遂に乗ってしまった。敵の罠を知るとともに自らの罪の恐ろしさを感じたニックは初めて弟に詫び、死を決してレース出場へ踏切った。--レースは予想通りニックとボタリの一騎討ちとなった。終盤戦となってニックはボタリについて"悪魔のヘアピン"にかかった。ニックがスピードを落さなければボタリの車に当り、ボタリは場外へ跳ねとばされようとした。が、その時ニックは突如スピードを落しボタリに道を譲った。不意をついたニックの譲歩でレースはボタリの勝利に終るかと見えた。が最終コーナーでニックは猛烈な追込みをかけ、遂にボタリを破りケリーの愛をも獲得した。
Nick_Jargin
Kelly
Rhinegold
Mrs.Jargin
Doc
Johnny
Houston
Tani
Chico_Martinez
Tony_Botari
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