永作博美
栗原佐都子
直木賞作家の辻村深月によるヒューマンミステリー小説を、『あん』の河瀨直美監督が映画化。“特別養子縁組”を題材に、実の子を持てなかった夫婦と、実の子を育てることができなかった14歳の少女との間に芽生える家族の絆と葛藤が描かれる。夫婦を演じる永作博美と井浦新や、彼らと少女を引き合わせる重要な役どころとして登場する浅田美代子などベテラン俳優の共演により、現代の日本社会が抱える問題を掘り下げていく。
※結末の記載を含むものもあります。
一度は子どもを持つことを諦めた栗原清和と佐都子の夫婦は「特別養子縁組」という制度を知り、男の子を迎え入れる。それから6年、夫婦は朝斗と名付けた息子の成長を見守る幸せな日々を送っていた。ところが突然、朝斗の産みの母親“片倉ひかり”を名乗る女性から、「子どもを返してほしい」という電話がかかってくる。当時14歳だったひかりとは一度だけ会っていたが、訪ねてきた若い女には、あの日のひかりの面影はなかった。
栗原佐都子
栗原清和
片倉ひかり
浅見静恵
栗原朝斗
麻生巧
片倉貴子
片倉勝
片倉美咲
浜野剛
監督、脚本、撮影
共同脚本
原作
音楽
音楽
主題歌
製作総指揮
プロデューサー
撮影
撮影
照明
録音、サウンドデザイナー
録音
美術
編集
編集
サウンドミキサー
スタイリスト
ヘアメイク
ラインプロデューサー
制作担当
助監督
[c]2020『朝が来る』Film Partners [c]キネマ旬報社
不安、絶望、期待、それぞれがぶつかる壁にどう向き合っていくか。見ながら自分ならどうしたらいいだろう、同じ状況の人がいたらどう声をかけるだろう、考えさせられる映画です。それでも朝は来る。
この映画を観て、久し振りに魂が揺さぶられるような思いがしました。 ラストはきれいごとに終わっている感があり、現実はもっと厳しいと批判的な意見もあるようですが、僕は希望の持てるエンディングに納得し安堵し、そして涙が出ました。
原作は未読です。河瀬監督作品なので観に行きました。原作がそうなのでしょうか?ミステリーとして紹介されていましたが、長年、「子供の(命)の誕生」に関わり、映画も撮ってきた河瀬監督の想いが強くこもった作品と感じたのが率直な感想です。 日本の現代社会において、命を授かるということの大切さ、深刻さ、残酷さなど全てが凝縮されていて、ある意味、学校の教材にしてもよいのでは・・・と思うほどでした。
原作は内容はともかく少し共感できない違和感を感じながら読了。今回、河瀬監督の作品ということで鑑賞しましたが、木漏れ日の光、島の風景など映像がとても美しく、かつ、養父母それぞれの気持ち、ヒカリの気持ちがきりっと凝縮して描かれており、原作よりもストンと胸に響きました。原作より映画が良いと思ったひさびさの作品でした。浅田美代子さんはじめ、役者さんが上手でした。正解はないけどもやもやを抱えながら前を向いて進めばいいんだと背中を押された気がします。
エンドロール直後の一声に 主人公たちの思いが集約された映画。それぞれの思いに共感した。 ただ, 現在と過去を行き来する ストーリー構成に分かりにくい箇所があり,途中で疑問フラグがたったことが残念。 観終わった後, 疑問は解決するが…
生まれて来る子供にとってどういう環境がベストなのか。子供を産めば誰でも親になれるのか。親になる事と、良い親になる事とは同義なのか。子供が欲しくても授からない夫婦は親になれないのか。産みの親が全て良い親と言えるのか。親と子の関係性を決定付けるものは何か•••。映画を見ていると色々な疑問が浮かんでくる。幼い子供の虐待死が相次ぐ現代。子供と親が共に幸せに暮らすためには何が必要なのか。映画はとても深い問いを投げかけてくる。主役を演じた永作博美さんの親としての優しさも伝わってきて大変見応えのある作品だった。