20年に渡って大阪の淀川河川敷で暮らす男性“さどヤン”に密着したドキュメンタリー。アルミ缶集めや清掃の仕事に行き、余計なものは持たない。世間から見れば、ただのホームレスだが、そのシンプルな生き方には、混迷の時代を生き抜くヒントがある。監督は「女になる」「神様たちの街」などを手掛けてきた田中幸夫。
ストーリー
2021年。自殺者の報道は小・中学生にまでおよび、仕事を失った後もセーフティーネットに辿り着くことができず、世間体を気にして、生活保護を拒否する人や餓死する人が見つかるなど、テレビや新聞には暗いニュースが溢れている。今や、大人から子どもまで、周囲の目に合わせすぎて生きづらくなっている時代。そんな中、2001年から大阪にある淀川河川敷の掘立小屋で暮らすさどヤンは、アルミ缶集めや清掃の仕事に行き、必要なものは自分で作り、余計なものは持たない。世間から見ればただのホームレスだが、そこに社会の多様な人々が集まり、一貫して綺麗でこじらせない生き方を続けている。3年に及ぶ撮影期間の中では、台風による高潮で何もかも流されるなど、予測不能なアクシデントも映し出される。それでもさどヤンは、何事もなかったかのように小屋を建て始める……。その姿には、混迷の時代を生き抜くヒントがある。
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