ヴィクター・マクラグレン
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「肉弾鬼中隊(1934)」「絢爛たる殺人」のヴィクター・マクラグレンが主演する映画で、フォード・ビーブが原作監督したもの。脚色にはプレスコット・チャップリンとトーマス・J・デューガンが当っている。助演者は「シスコ・キッド(1931)」「曠原の伊達男」のコンチタ・モンテネグロ、「国境飛行隊」のレジス・トゥーミー、「南方の騎士」のルース・ホール、「五十六番街の家」のウィリアム・ボイド、「轟く天地」のノア・ビアリー、「家なき少年群」のフランキー・ダーロ、「世界大洪水」のロイス・ウィルソン、タリー・マーシャル、ヘンリー・B・ウォルソール等で、撮影は「巨人ジョーンズ」のアーネスト・ホーラーとトム・カリガンの担当。
1913年マクヘイルは前途多望の青年技師としてパナマ運河で働いていた。冒険好きの彼は銃器密輸をしていたので、米国の軍事探偵メイスンに追跡されてパナマを逃亡した。これが彼の世界を股にかけての冒険流浪の生活の初めだった。彼は帰りを待詫びている妻子を故郷に残した侭、南洋、シンガポール、印度、中国と渡り歩き、1917年には佛蘭西戦線でイースター大尉と名乗って武勇を振った。この間も彼は妻子を忘れていたのではなく、いつも手紙を書いては安否を尋ねて居たが、妻は彼の帰郷を待たずに他界し、愛児は行方不明になったのであった。1933年、南米の北端の小国アルツラスで、イースター大尉ことマクヘイルは革命の指揮をしていた。彼の率いる軍隊は強かったが、大統領ヴァレンズエラの大軍が出動すると、革命軍はひと先ず鋒を収めなければならなかった。その頃今でも軍事探偵のメイスンが来て、大統領に会いマクヘイルを捕えに来た事を告げて援助を乞うた。マクヘイルは冒険と戦慄に満ちた革命運動が何よりも好きだった。その為めに彼を恋している情熱の女パンチタの紅怨は尽きなかった。米国人の青年技師パット・コリンズは許嫁アリスと共にアリスの父を訪ねてアルツラスに来た。パットはマクヘイルと会ってお互いに好きになった。そしてパットは性来の冒険癖からアリスの止めるのもきかずにマクヘイルの革命運動を手伝うこととなった。銃器到着の報を得て陸揚げをしようとすると、メイスンは嗅ぎつけて官憲の応援を得て逮捕にやって来る。パットはモーターボートでマクヘイルを助けた。しかしパンチタは情怨に駆られてマクヘイルの隠れ家を密告したので忽ち官憲の重囲に陥った。マクヘイルは脱出したがパットは捕えられる。メイスンはパットを調べて、パットこそ行方不明のマクヘイルの伜であることを知ってアリスに告げる。アリスはこれをマクヘイルに訴える。マクヘイルは革命軍を解散させるからパットを助けて呉れ、と大統領に直談判して、銃殺の刑に処せられんとするパットを救いアリス共々国外に亡命させてやった。
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