監督、撮影
チェチェン紛争時に“テロリストの巣窟”と汚名を着せられたジョージア東部パンキシ渓谷で暮らす、キストと呼ばれるイスラム教徒の人々を 3 年に渡り記録したドキュメンタリー。心に傷を抱えながらも、故郷を復興させようと懸命に生きる人々の姿を撮影した。“アダミアニ”とはジョージア語で“人間”を意味し、神が最初に創った人間アダムを語源にしている。監督は、本作が初長編作品の竹岡寛俊。2010年にジョージア(旧グルジア)のパンキシ渓谷に住むキストの人々と出会いドキュメンタリー制作を開始し、『カメラマン渡部陽一がたどる再会の旅路 秘境大コーカサス山脈 チェチェン人の心と暮らし』で第32回ATP賞テレビグランプリ優秀新人賞を、『BS1スペシャル テロリストの母と呼ばれて 闘いと再生の記録』で第35回ATP賞最優秀賞(ドキュメンタリー部門)を獲得している。本作はクラクフ映画祭国際映画批評家連盟賞、South East European Film Festival 最優秀撮影賞、東京ドキュメンタリー映画祭2022長編部門グランプリを受賞。ジョージア映画祭2022上映作品。
ストーリー
ジョージア東部の山岳地帯に位置する、パンキシ渓谷。大国の狭間にあり、宗教や民族も複雑に絡まり合い、チェチェン紛争時には“テロリストの巣窟”と汚名を着せられた。そんなパンキシ渓谷で暮らす、キスト(チェチェン系ジョージア人)と呼ばれるイスラム教徒の人々を3年に渡り撮影。戦争で二人の息子を失ったレイラは、娘のマリアムと共に美しい庭が自慢のゲストハウスを経営。レイラのいとこのアボは戦士の一族の生まれで、ロシアとの戦争で負った重いトラウマに苛まれながらも、旅行者をコーカサスの山々へ案内するガイドを務めている。心に傷を抱えながらも、故郷を復興させようと懸命に生きるその姿を、カメラは捉える。