監督、制作
2021年軍事クーデター以降軍の圧政が続くミャンマーで、若手作家たちが自らの匿名性を維持しながら“ミャンマー・フィルム・コレクティブ”を結成、短編映画とSNSに投稿された記録動画をシームレスにつなぎ市民の声の断片を生々しく伝えるドキュメンタリー。軍事クーデター以降ジャーナリストや映画制作者の逮捕が続く厳しい状況が続いており、匿名のミャンマー人監督たちによる“ミャンマー・フィルム・コレクティブ”は自由が奪われたこの国で現在声を上げることのできない人々に声を与えることを目的に活動。本作には10人が参加し、ミャンマーに縁のあるオランダ在住プロデューサーらの支援のもと制作された。第72回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品し、ドキュメンタリー賞・ブロンズ観客賞・アムネスティ国際映画賞を受賞。配給元の株式会社E.x.Nは、本作の興行収入より映画館への配分と配給・宣伝経費を差し引いた配給収益の全額を支援金とし、ミャンマー避難民の生活支援活動を行う団体・施設に寄付を行う。
ストーリー
東南アジアのインドシナ半島西部に位置するミャンマー。1988年より軍事政権が続いていたが、2011年に民政移管し民主化に向け変わり始め、市民は自由と発展への希望を抱くようになっていった。2021年2月1日、軽快な音楽に合わせエクササイズの模様を動画配信している女性の背後を軍の車両が次々に慌ただしく通っていく。その日、軍が再び国の支配に乗り出したのだった。反発した民衆による大規模な抗議デモが全国各地で起きたが、軍の弾圧行為は激化し、人々の自由と平穏な暮らしは崩れていった。抗議活動に参加したことから指名手配され引き裂かれるパートナー、理由もわからず拘束される母を守ろうとして必死に抵抗する幼い子ども、軍と戦うために地元を離れて戦闘訓練を受ける若者たち、自身が拘束される様子を必死に配信するジャーナリスト、新型コロナウィルスのパンデミックの最中に隣国に避難し隔離中のホテルで平和だった頃の記憶をノートに綴る女性、……。インターネットは定期的に遮断され、軍に都合が悪い情報を発信するメディアや SNS 投稿は処罰の対象に。国内外に情勢を伝えることが非常に難しい中、若手ミャンマー人作家たちは匿名性を維持し“ミャンマー・フィルム・コレクティブ”を結成。10人の映画監督それぞれの日常から生まれた短編映画とSNSに投稿された一般市民の記録映像をシームレスにつなぎ、ドキュメンタリーとフィクションを行き来しながら、圧政下のミャンマーにおける市民の声の断片を生々しく伝える
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- Myanmar Diaries
- 製作年
- 2022年
- 製作国
- オランダ=ミャンマー=ノルウェー
- 配給
- E.x.N
- 初公開日
- 2023年8月5日
- 上映時間
- 70分
- 製作会社
- KRO-NCRV=De Boeddhistische Blik=Ten Thousand Images
- ジャンル
- ドキュメンタリー
[c] The Myanmar Film Collective
[c]キネマ旬報社