海の荒鷲(1933)
海の荒鷲(1933)
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海の荒鷲(1933)

1933年公開
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「大空の闘士」と同じくパット・オブライエンとラルフ・ベラミーが共演する映画で「鉄血士官校」の脚色者トム・バッキンガムが書き下ろした台本により「アルプスの血煙」「SOS氷山」のテイ・ガーネットが監督し、「天晴れ競馬で一つかみ」のエドワード・スナイダーが撮影したもの。助演者は「姫君と武官」のベティー・コンプソン、「母」のアラン・ヘール、「鉄血士官校」のトム・ブラウン、「監視装甲車」のラッセル・ホプトン、「放送室の殺人」のロロー・ロイド、スタンリー・フィールズ、ノール・マディスンなどである。

ストーリー

台風にあってマストを破損したラム酒密輸の帆船「ルパート公」号は、台風一過後の凪の中に漂っている。船長も1等運転士も暴風雨中の激波に呑まれてしまったので、船を操縦しえる唯一の男たる水夫長ランドストロムが船長代理を勤めている。豪州でラム酒を積み込むときに乗り込んだ密輸団の頭首マット・ブレナンと乾児のジョージィとガッタロの3人は拳銃をもって、唯一残った水樽を占有している。水夫たちは渇きで狂気のようになっているが、ブレナンは破損ケ所の修理を済すまでは1滴も遣らないと頑張ったが、給仕のジョニイだけには1杯を与えようとする。それを見た1水夫はジョニイに躍りかかって水を奪おうとしたのでジョージイは狙撃するが誤ってジョニイを射ち、さらに大切な羅計盤を破壊してしまう。乗り込んでいる医師がジョニイに手当てをするが傷は深い。不幸が重なるので神経過敏となっている人々を驚かしたのは女がかくまわれているとの知らせだ。女はブレナンの情婦で仲たがいをしているルビイだ。かくまったの彼女に惚れているマキシーだ。女の出現は険悪な空気をさらに悪化し、水夫長は水樽を奪おうとするが果たせない。船は破損は大きくなり浸水し始める。傷と渇きで苦しむジョニイは、コックに水をくれという。コックが船底のボイラーの水を出すのを見た水夫長はさっそく水を瓶に詰めて水夫等に分かち、船の支配権を得たとブレナンが守る水樽を破壊する。ところがジョニイはボイラーにはい寄って栓を開け、途端に失神して倒れるので水は流れつくす。水がことごとく失われたと知った船員たちは自暴自棄となり、ラム酒を飲んで酔っ払ってしまう。日が暮れる。折柄、密航者がいるぞと叫ぶ声が起こる。ジョニイは密航者に抱かれて微笑を浮かべながら瞑目する。人々は不吉な13人目の男たる密航者を殺せと喚いた。しかし密航者は不思議な威厳と温容さとを持っていて人々を心服させ、酒樽と思われていた樽から水を出して湯を涌かさせる。破損箇所の浸水も止まった。風も吹き始めた。密航者は星の光を頼りに船を進め暁にはカリフォルニアの海岸についた。プレナンとルビイは密航者の調停で仲直りした。海岸の岩に渡した救命索を手繰って人々は皆上陸した。折柄起こった大波に船は呑まれて沈没し、密航者の姿は消えた。船が沈んだ後に十字架の形をした木材が浮かんでいた。

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作品データ

原題
Destination Unknown
製作年
1933年
製作国
アメリカ
初公開日
1933年
製作会社
ユニバーサル映画


[c]キネマ旬報社