批評家が選ぶ、ジャッキー・チェン出演作ランキング!人気シリーズが上位を独占の“フレッシュ”10選
幾多の人気シリーズがあるジャッキーだが、そのなかでも刑事のチェン・カクー役を演じた「ポリス・ストーリー」シリーズが(異なる役を演じた『新ポリス・ストーリー』も含め)上位を独占する結果に。もっとも、ロッテン・トマトはアメリカの批評家からのレビューが中心となって構築されていることもあって、結果に多少の偏りが出てしまうことは否めない。というのも、とりわけ日本で人気の高い70年代〜80年代の作品群の多くが、アメリカでは当時小規模な映画祭などで上映されたきりということも珍しくなく、日本と比較するとリアルタイムで観ることができた作品が圧倒的に少ないからだ。
80年代に『バトルクリーク・ブロー』(80)でハリウッド進出を図り、その後『キャノンボール』(81)でその存在が認知されるようになったものの、なかなかハリウッドに浸透しなかったジャッキー。90年代も中頃になって『レッド・ブロンクス』で再注目を集め、その後クリス・タッカーと共演した『ラッシュアワー』(98)が大ヒットを記録。同作が契機となり、2000年代に相次いでハリウッド映画に出演するなど、ようやく世界的アクションスターの地位が確かなものになったのである。日本でもおなじみの『酔拳2』や『プロジェクトA』などは、その頃になってようやくVHSなどで日の目を見ることに。
そのなかでも、もっとも高い評価となる96%フレッシュを獲得したのは『ポリス・ストーリー3』。後に『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(97)でボンドガールを務めるミシェル・ヨーと共演した本作は、前2作よりも圧倒的にスケールアップしたアクションが展開。ハリウッドでも受け入れられたのも充分に頷けるほどの出来栄えだ。ちなみに同作は香港公開から約1年後には限定的でありながらもアメリカ国内で劇場公開。一方、93%フレッシュを獲得したシリーズ第1作の『ポリス・ストーリー 香港国際警察』は数年のブランクを経てVHSリリースがされ、劇場で公開されたのは昨年になってからのことだ。
昨年春には「ラッシュアワー」シリーズの4作目が製作されるという噂が流れるが、その後関係者からそれを否定する声もあがっており、実際のところはいまだ不明のまま。一方、1作目が79%フレッシュとなかなかの高評価を獲得し、その後続編が製作された『シャンハイ・ヌーン』も、数年前から3作目となる『Shanghai Dawn』が作られるという話が度々取り沙汰されるが、一向に続報は届いていない。ハリウッドでの人気シリーズの最新作がそろって製作されることとなれば、またしてもジャッキー人気が再燃することは待ったなしだろう。
とはいえ今後もジャッキーの出演作は目白押し。WWEの人気レスラーで近年俳優としても活躍著しいジョン・シナと共演する米中合作のアクション大作『Project X-Traction』、 これまで何度もコンビを組んできたスタンリー・トン監督がメガホンをとる『Vanguard』、さらにはチェン・ボーリンやアンバー・クオが主演を務める『北京晩9朝5』にも出演。近年ではアクションなしのドラマ性の強い役柄にも挑んでいるジャッキーは、今後どんな活躍を見せてくれるのだろうか。
文/久保田 和馬