“サスペンスの神様”は変態?…ヒッチコックが映画好きを夢中にさせ続けるワケ

コラム

“サスペンスの神様”は変態?…ヒッチコックが映画好きを夢中にさせ続けるワケ

今年4月に没後40年を迎えたアルフレッド・ヒッチコック。生涯で50本を超える映画を監督し、“サスペンス映画の神様”と称された巨匠だ。そんな彼が発表した名作群『知りすぎていた男』(56)、『めまい』(58)、『サイコ』(60)が相次いでBSプレミアムで放送され話題を呼んでいる。「ブロンド美女×サスペンス」にこだわり、トリッキーな表現で観客を沸かせ続けた彼の作品の魅力をあらためて振り返りたい。

ブロンド美女を偏愛…没後40年を迎えたヒッチコックの映画に酔いしれたい!(『めまい』)
ブロンド美女を偏愛…没後40年を迎えたヒッチコックの映画に酔いしれたい!(『めまい』)[c] 1958 Alfred Hitchcock Productions, Inc. and Paramount Pictures Corporation. Renewed 1986 Universal Studios for Taylor and Patricia Hitchcock O'Connell as Co-Trustees. All Rights Reserved.

イギリス出身のヒッチコックは、サイレント映画の時代から巧みなストーリー表現によりメロドラマやラブコメディ、スリラー、サスペンスまで、幅広いジャンルの映画を監督。その名がハリウッドからも注目され、アメリカに渡って手掛けた最初の作品『レベッカ』(40)で1940年のアカデミー賞最優秀作品賞を獲得した。ハリウッドではサスペンスに軸足を置き、撮影用フィルムの時間的制約を超えて全編をワンシーンで見せる『ロープ』(48)など、映画の常識に囚われず豊富なアイデアを駆使しながら次々と作品を生みだしていく。

衝撃の殺害現場が物語の始まり…(『ロープ』)
衝撃の殺害現場が物語の始まり…(『ロープ』)[c] 1948 Transatlantic Picture Corp. Renewed 1975 United Artists Television, Inc. All Rights Reserved.

『ロープ』以外にも、圧倒的な存在感を放つジェームズ・スチュアートを主演に起用した作品は多い。グレース・ケリーがヒロインの『裏窓』(54)では、足を骨折して部屋に籠りきりの主人公が、窓の外で起きている事件を嗅ぎつけてついにはその渦中に放り込まれる。スチュアートとドリス・デイが夫婦役を務めた『知りすぎていた男』では、医者とその妻、7歳の息子がモロッコへの旅の途中に知り合った男の突然の死を発端に、たちまち大事件に巻き込まれ…。
どちらも平穏に暮らしていた主人公がひょんなことから犯罪の渦中に巻き込まれるという、ヒッチコック作品の王道メソッドが冴え渡っている。

ジェームズ・スチュアートとドリス・デイが共演した『知りすぎていた男』
ジェームズ・スチュアートとドリス・デイが共演した『知りすぎていた男』[c] 1955 Filwite Productions, Inc. Renewed 1983 Samuel Taylor & Patricia Hitchcock O'Connell, as Co-Trustees. All Rights Reserved.
■プレミアムシネマ『引き裂かれたカーテン』
6月24日(水)13:00~ BSプレミアムにて放送

■「ヒッチコック監督特集」
会期:開催中~7月3日(金)
場所:シネマヴェーラ渋谷

■『めまい』
発売中
価格:Blu-ray 1,886 円+税、DVD 1,429 円+税

■『ロープ』
発売中
価格:Blu-ray 1,886 円+税、DVD 1,429 円+税

■『知りすぎていた男』
発売中
価格:Blu-ray 1,886 円+税、DVD 1,429 円+税

■『サイコ』
発売中
価格:Blu-ray 1,886 円+税、DVD 1,429 円+税

■『引き裂かれたカーテン』
発売中
価格:Blu-ray 1,886 円+税、DVD 1,429 円+税

発売・販売元は、すべてNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン