中村倫也が主演作『水曜日が消えた』で“七変化”!ファッションも様々…どの倫也がタイプ?
昨年は声優初挑戦の『アラジン』(19)で美しい歌声を披露し、出演作『屍人荘の殺人』(19)やドラマ「凪のお暇」も話題となった中村倫也。つかみどころのないどこか飄々とした雰囲気を持ち、活躍の場を広げ続ける彼が、『水曜日が消えた』(公開中)で4年ぶりに映画の主演を務める。しかも、曜日ごとに人格が入れ替わるキャラクターを演じ、それぞれで異なる魅力を放っている。
主人公はどこにでもいそうな普通の青年。しかし、彼の中には7つの人格が同居し、曜日ごとにそれぞれが独立した一日を過ごしていた。7人に分かれる前の記憶はなく、どうしてこうなってしまったのかもわからない。通称“火曜日”は、7人の中で最も地味で退屈な存在だ。ほかの曜日から家の掃除を押し付けられ、冷蔵庫の中身も管理するなど損な役回りが多い。
さらに、読書が趣味なのに、火曜日は図書館が休館日で思う存分に楽しめない。そんな単調な日々に変化が訪れる。ある朝、“火曜日”が目覚めると、朝の情報番組のコーナーがいつもと違い、緑道にかかる音楽も聞き慣れない。突然、“水曜日”がいなくなり、水曜日も“火曜日”のものになったのだ。
“火曜日”の人格を中心に物語は進行していく。まじめな性格からか、ほかの曜日の用事を引き受け、「旅行にも行けないし、(こんな性質だから)友達もいないし、一年は52日しかない」とぶつぶつと不満をもらし、いつもつまらなさそうにしている。そんな彼が初めての水曜日を経験し、たくさんの本が並ぶ図書館に目を輝かせ、花を買ってウキウキ気分で家路に着くなど、さも特別なことのように楽しむ姿がほほえましい。
“火曜日”にとって一番やっかいな存在が“月曜日”だ。ミュージシャンで、タバコや酒を嗜み、がさつな面が目立つ。彼が散らかし放題にした家を“火曜日”が片づけるのはもちろん、見知らぬ女性と夜を共にし、翌朝“火曜日”がそれに驚くなんてことは日常茶飯事。
両極端な彼らのほか、スポーティな服装を好む“水曜日”、絵を仕事にしているアーティストの“木曜日”、植物を愛する物静かな“金曜日”、ゲーム作りをしている“土曜日”、アウトドア好きで釣りが趣味の自由人“日曜日”と、それぞれのキャラが立っている。
充実した日々を堪能する“火曜日”は図書館で出会った司書の女性に恋をし、彼女とデートをするが、その最中に意識が途切れてしまう。その後も症状は続き、ほかの曜日も活動している気配が見られない。いったい7人の人格になにが起こったのか?そして、このまま“火曜日”も消えてしまうのか?
持ち前の表現力で自在に“一人七役”を演じきった中村。まじめからワイルド、インテリまで様々な彼に魅了されながら、“7人”が辿る物語の結末を確かめてほしい。
文/トライワークス