「相棒」をきっかけに…現役大学生が自力で監督デビュー!
「映画で天下を取れ、という言葉が背中を押してくれた」
監督デビュー作「ダブル・アンコール」の物語では、この春から新社会人として歩み出した、高校の同級生4人がリモート飲み会で集結。呼び出した当人“マコト”からある相談が持ちかけられる。「今回の脚本は外出自粛期間に書きましたが、長年構想していたテーマなんです」
「ずっと“人生の方向転換の葛藤を映像にしたい”と思っていました。僕自身が、中学から10年間アメリカンフットボールに打ち込んでいて、唯一無二の大親友とは別々のアメフト強豪校に進学。2人で“日本一決定戦で戦うこと”を夢に頑張ってきました。しかし大学在学中、映画の夢のためにはいまアクションを起こさねば…、と自分にも相当の葛藤が起こりました」
「僕はずっと映画がやりたかった、そう話した時、彼は1ミリも否定せずに『頑張れよ、映画で天下を取れ。谷口すごいなって思わせるようにならなきゃだめだ』と受け入れてくれました。どんな時も彼が背中を押してくれる。僕の行動力の源はそこにあるのかもしれないです」
「なんのコネも知識もない僕を、ここまで育ててくれた大好きな橋本監督。”映画を作るということ”を繰り返し教えてくれた佐々部監督。共に高めあい、時には発破をかけてくれる大親友。この3人がいなければ、この監督作も生まれなかった。本当に心から感謝しています」
事務所へのキャスティング依頼も自ら行い、自力で初監督作品を完成させた谷口。その行動力には、「相棒」シリーズの音楽を手掛けている作曲家の池頼広もほだされ、デビュー作のために新曲を書き下ろしてくれたという。
現在は早くも2本目の制作を進行中と明かす谷口。「本作は、自粛で会えないからリモート、という設定でしたが、逆にリモートだからこそ会える関係性というのも、この時期に限らず有りますよね。今度はそちらを描いていきます」。さらに来年春には、念願の映画製作も予定しているそうだ。
取材・文/編集部
この春、新社会人として歩み出した、マコト、アキラ、タツヤ、アカリの4人は、城和高校サッカー部出身。高校卒業から4年、各々が新しい社会へ足を踏み出すが、世間はコロナ禍により自粛状態。そんななか、マコト主催のリモート飲み会が開催される…。