こども店長がグッと大人に!久しぶりの主演映画で見せた加藤清史郎の成長
いまから約10年前に“こども店長”のかわいらしい姿で話題となった加藤清史郎が、成長した姿を見せている映画が『#ハンド全力』(公開中)だ。本作は、“ハンドボールに青春を懸けているようにSNS上で見せること”に全力を傾ける男子高校生たちの青春模様を描いた作品。高校生のマサオは、3年前の熊本地震で部活のハンドボールができなくなり、親友とも離ればなれに…。一瞬にして多くを失った経験から努力に意味を見いだせず、夢中になれるものもなく、卒業後の進路も決められずにいた。
そんなある日、ふとSNSに昔撮ったジャンプシュートの写真を投稿すると、思いがけず写真が話題となり、応援のコメントが多数寄せられる。それに気を良くしたマサオは、幼なじみの岡本と共にハッシュタグ「#ハンド全力」を付けた投稿を続けることに。やがて、噂を聞きつけた弱小男子ハンドボール部に勧誘され、PR要員として入部することになるのだが…。
この主人公マサオを演じているのが加藤だ。8歳で演じたCMでのこども店長役では、つぶらな瞳でとにかくかわいらしい姿を見せていたが、彼も現在18歳。子役時代から数々の舞台や『暗殺教室』(15)などの作品に出演したのち、2020年の3月までの3年間、ロンドンの高校に留学していた加藤。一気に大人びた顔つきになり、切れ長の瞳がグッとソリッドな印象に。
劇中では、伸び続ける“いいね!”の数に対し、目をギョッと見開いて驚いたり、大声を上げながら顔をくしゃくしゃにさせて盛り上がったりと、高校生らしいフレッシュな表情を多数見せている。自分のやりたいことが見つからずに葛藤したり、思わぬ事態に巻き込まれて思い悩んだりと繊細な表情も魅力的だ。
加藤だけでなく、マサオが密かに思いを寄せる女子ハンドボール部のエースである七尾(芋生悠)を姉に持ち、弱小ハンドボール部を戦略面で支える次郎役には鈴木福、厳しくも情の厚い女子ハンドボール部の顧問である市川役には安達祐実と、子役として一斉を風靡した俳優たちも顔をそろえており、芸歴に比例したかのようなさすがの演技で作品に安定感をもたらしている。
この子役出身者のキャスティングに関して、監督の松居大悟は「僕は子役が好きなので、元・子役を含めてたくさん出てもらいました。マサオ役の加藤は近年あまりテレビに出ていなかったことも含めて興味があって、プロット段階でオファーしました。子役出身の役者というのは幼少期に脚光を浴びても、成長するとかつてのような注目のされ方はされなくなって、でもキャリアは続けていかなければいけない…そういう彼らの立場が今回の作品にも重なったんです」と、その理由を明かしている。
加藤の成長ぶりを、ぜひスクリーンで確認してほしい!
文/トライワークス