「映像研」とも共通項が!大童澄瞳が語る『前田建設ファンタジー営業部』の“アニメ愛”溢れる魅力
「『映像研』の芝浜高校の建設を依頼してみたい」
現実の“前田建設ファンタジー営業部”は、映画で描かれた「マジンガーZ」の地下格納庫のあとも、依頼プロジェクトを含め、様々な建設を手掛けている。そこで大童に、もし“映像研”から見積もりを発注するとしたら、なにをお願いしたいか聞いてみた。
「規模としては、もう島みたいなレベルですが、“芝浜高校”の建設を依頼してみたいです。湖の上に建っていて、かつ湖の地下まで掘り進んでいたり、地上数十階の円筒形の図書館が建っていたり…あとは非常に細かいバラックも建ち並んでいる。各々が増改築した結果、形成されているので、本来なら大きな建設会社に依頼することではないんですけど。それを建設会社が一から作り上げるとしたら、どれくらい費用がかかるのかな?って。湖の水圧があるから地下深くまで掘り進んでいく時に、いったいどうやるんだろうか?みたいなことはほんとうに前から気になっていたので、ちょっと聞いてみたいですね(笑)」
それでは、大童さんが個人的に好きな作品のなかから、見積もりを頼むとしたら…と再度尋ねると、「映像研」にも登場する名作アニメ「未来少年コナン」の名前が挙がった。
「インダストリアっていう場所が出てくるんですけど、そこには中央に三角塔と呼ばれる丸い円筒形の大きな塔が3本建っているんです。屋上部分に太陽エネルギーを受信するための装置がついていて、地下にはギガントっていう大型の爆撃機が格納されている。その三角塔を建てるには、どれくらい費用がかかるのか?っていうのも知りたいです」
「既存の作品をモチーフにした場合、勝手な言い訳ができなくなる」
大童さんが子どものころよく見ていたアニメは「未来少年コナン」のほか、藤子・F・不二雄作品や「宇宙戦艦ヤマト」、「ルパン三世」など。SFというジャンルの中では「どちらかというと、スーパーロボット系より、リアルロボット系の作品が好きだった」とのこと。
「特殊な重機としてロボットを扱うリアルロボット系の作品で最初に有名になったのは、『機動戦士ガンダム』ですよね。それ以外では『機動警察パトレイバー』もまさにリアルロボット。そういう意味では『マジンガーZ』自体はスーパーロボット系ですけど、『前田建設』では、それをリアルなものに変換していくという作業が描かれていたので、僕の場合、そこでグッとのめり込めました(笑)」
作者が一から作品世界を作り上げていく「映像研」のような作品に対し、『前田建設』では、まず「マジンガーZ」といった既存の作品の存在があり、その設定を掘り下げていくことで、また新たな作品を作るという形をとっている。こうしたSFへのアプローチの違いについては、どう思ったのだろうか。
「個人的には一から自分で作っていくという作業に疲れてしまっているので(笑)、既存の作品から作るのはラクなんじゃないか、みたいなことも思うんですけど、その代わり、ウソがつけないですよね。一次創作、つまり自分から生みだしていく側の場合は、都合のいいようにいろんなものを改変できます。たとえば最初に描いていたメカの描写と、しばらくしてから描いたメカの描写が違うと指摘された時、自分で生みだしていた場合は『いや、この間に改良が進んで、こう変わったんだよ』みたいな言い訳をすることができる(笑)。でも、既存の作品をモチーフに新たな作品を作る時は、勝手な理由をあとづけすることがすごく難しいんじゃないかなと思います。そこが大きな違いですかね」
9月9日(水)発売
価格:Blu-ray(特装限定版) 6,800円+税、DVD 3,800円+税
発売・販売元:バンダイナムコアーツ