「映像研」とも共通項が!大童澄瞳が語る『前田建設ファンタジー営業部』の“アニメ愛”溢れる魅力
「おもしろい描写がある映画をたくさん観ては、撮り方を勉強していた」
高校時代は映画部に所属していた大童さん。作り手側の視点から、映画を観ていても「ストーリーやキャラクターよりは、どうしても撮り方のほうに興味が行ってしまう」と話す。興味深い撮り方をしていると感じた作品は、何度も繰り返し観るのが常だ。
「SF映画の『トゥモロー・ワールド』(06)は、そのなかの1本ですね。主人公が隠れながら、戦場みたいなところをずーっと進んでいく描写で、ひたすら長回しが続くんですよ。場所を移動すると景色が変わる、というのは当たり前のことではあるんですが、カットやシーンによって風景が変わるのではなく、主人公がほんとうに移動していることによって、周りの景色がどんどん変わっていく。その撮影の仕方が、すごくおもしろかったです」
ほかにも強く印象に残っているのは、戦争映画『ブラックホーク・ダウン』(01)。「この映画でも、部隊とはぐれてしまった兵士たちが、なんとか救出してもらうために、戦場をどんどん移動していくという描写があって、すごく好きでした。映画を撮っていたころは、そういう映画をたくさん観て、どんな感じで撮ったらいいかを勉強していたこともありますね」
「最近は、趣味として小型の重機を買おうか思案中(笑)」
『前田建設』では「ファンタジー営業部の社員たちが、様々な工場に協力を仰ぎに行った時、コマツの大型重機や、前田製作所のカニクレーンがバーッと並んでいたシーンもよかった」と振り返る。大童さんの仕事場のデスクには、資料として、トミカシリーズの重機たちが置かれており、そのなかには映画と同じカニクレーンの姿も!
「カニクレーンは歩けるわけではないんですけど、脚があるので、凹凸のある場所でも自由に設置させることができるんです。YouTubeで調べると、海外でも様々なシチュエーションで使われていることがわかって驚きました。狭い場所でも重いものを吊り上げるパワーがあるって、すごいですよ。いや、見た目もかわいいですね。これで自走したり、人間が乗れたりしたらうれしいですよね(笑)。…なんて、いまこういうふうに語ると、『重機に詳しいんだな』って思われがちなんですけど、これ以上のことは知らないです(笑)」
そんなふうに謙遜しつつも、大型の“ラフテレーンクレーン”や日立の双腕重機“アスタコ”といった別の種類のトミカを手に取りながら、いろいろと説明してくれた大童さん。楽しそうに語る姿は、たしかに『前田建設』のヤマダさんの姿を彷彿とさせ、好きなものがあるっていいなぁ、としみじみ感じさせてくれる。
「住んでいる家の庭がちょっと広いので、最近はいろいろ木を植えているんです。でも、穴を掘るのが大変で、コマツのPC01っていう、ほんとうに小さいショベルカーを買おうかと考えているところです。ただ100万円くらいするので…。でも、僕はバイクに乗ったりする趣味がないので、そういう趣味のひとつとして、ショベルカーを1台買うのもいいかなと思っています(笑)」
取材・文/石塚圭子
9月9日(水)発売
価格:Blu-ray(特装限定版) 6,800円+税、DVD 3,800円+税
発売・販売元:バンダイナムコアーツ