殺人事件や自殺、住人の孤独死…実在の「事故物件」を訪ねる
「事故物件」と聞いた際、どのようなイメージを思い浮かべるだろうか。漠然と怖い、不気味、陰惨などの印象を受ける方が多いのではないだろうか。
一般的な定義では、「事故物件」とは殺人などの事件や自殺、火災などの事故、住人の孤独死といった入居者の死の現場となった物件を指しており、不動産会社では「心理的瑕疵」ありと通告することが義務づけられている。
公開中の『事故物件 恐い間取り』は、「事故物件住みます芸人」として活動する松原タニシの実体験をまとめた著書を原作に、亀梨和也が売れない芸人の山野ヤマメ役で主演したホラー映画だ。監督は『リング』(98)でJホラーブームを起こし、『スマホを落としただけなのに』(18)のヒットも記憶に新しい中田秀夫が務めている。
亀梨演じるヤマメは、中井大佐(瀬戸康史)とお笑いコンビを組んでいたがまったく売れず、中井からコンビを解散し放送作家になると告げられる。突然ピン芸人となり途方にくれるヤマメは、番組プロデューサーの松尾雄二(木下ほうか)から番組への出演を条件に「事故物件に住んでみろ」と無茶ぶりされ、殺人事件が起きた物件で暮らすことになる。
様々な怪奇現象に遭遇したヤマメは“事故物件住みます芸人”としてブレイクしていくが、霊感を持つメイクアシスタントの小坂(奈緒)はヤマメを密かに心配する。そしてヤマメが見つけたある事故物件には、想像を絶する恐怖が待っていた…。
劇中でヤマメが住む4軒の事故物件は、3軒目までがロケーションで撮影されているが、美術や照明などもあいまって普通のマンションの一室がただならぬ雰囲気をかもしている。
このように本作には実際の事故物件で撮影されたシーンはないものの、劇中で描かれる物件がどの程度リアルに描写されているのかを確かめるため、記者らは神奈川県の某駅にある、本物の事故物件に向かった。